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2026年10月、東京証券取引所によるTOPIX(東証株価指数)の改革が実行段階に入る。市場区分とのひも付けを廃止し、流動性と時価総額で構成銘柄を厳選するこの改革により、現在より約600社少ない約1100社体制へとスリム化される見通しだ。基準未達企業には「段階的除外」という過酷な措置が待ち受け、同時に進むコーポレートガバナンス・コードの改訂も経営への圧力を高める。特集『総予測2026』の本稿で、市場の新陳代謝を促す大改革の全貌と、企業が直面する生存競争の行方を解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
東証1部=TOPIXの終焉
「浮動株時価総額」が選別の核心
2026年は、日本の上場企業にとって「選別」の年となる。東京証券取引所の株価指数(TOPIX)の構成銘柄入れ替えが同年10月に本格始動するからだ。
かつての「東証1部=TOPIX」という市場区分とのひも付けを完全に廃止し、全上場企業を対象に流動性と時価総額で選別を行う。この改革により現在の約1700銘柄から約1100銘柄体制へとスリム化される見通しだ。
選定の核心となる基準は「浮動株時価総額」だ。大株主上位10名の保有株や政策保有株式などを除き、市場で実際に流通している株式の時価総額を上位から積み上げ、その累積寄与率で判定が行われる。既存の構成銘柄は上位97%にとどまらなければならず、新規に採用されるためには上位96%に入る必要がある。
日本取引所グループのJPX総研の試算によれば、25年8月末時点で、既存企業が残留するボーダーライン(上位97%の最小値)の浮動株時価総額は約280億円だった。約500銘柄がこの基準に届かなかった一方、スタンダードとグロースの50銘柄が基準に達したという。
これはあくまで試算であり、26年8月時点の浮動株時価総額で判定される(公表は同年10月末)ため、現時点で基準に満たない企業も浮動株比率や時価総額などを上げればTOPIXに入れる。
だが、26年8月の判定で「基準未達」の烙印を押された企業には、過酷な運命が待ち受けている。TOPIXからの除外は、年金基金やETF(上場投資信託)などの機関投資家資金が自動的に流出することを意味し、株価暴落の引き金になりかねないからだ。
では、具体的にどのようなプロセスで「退場」を宣告されるのか。そして、26年に同時進行するもう一つの大改革「ガバナンスコード改訂」の衝撃とは。次ページでその詳細を明らかにする。







