洋妾疑惑、再び

 この日、松江中学では、庄田(濱正悟)が生徒たちに赴任の挨拶(あいさつ)をしている。

「帝大を出て先日まで東京の中学校で英語を教えていました。錦織先生とはこの松江中学に通っていた頃の同期で、先日結婚を申し込み、振られてしまった」

「同期で」と笑顔で言いながら、「結婚を申し込み」も笑顔。

「だが、しかし勉強はしっかり教える。後輩諸君、頑張ろう」

 錦織と自身の関わりを話していたのが、唐突にサワの話になっている。それだけサワショックを引きずっているのだ。とはいえ、事情を何も知らずに聞いていると、錦織に結婚を申し込んだのか? と、ぎょっとしてしまう人もいるのではないだろうか。

 たぶん、そのおかしさを脚本家は狙っているのだろうと思うが。だが、濱正悟さんは、そんなことを思いもしなかったそうだ。

 本日公開されたインタビューで、こう語っている。

「庄田はフラれたあと、やっぱりサワさんのことが頭から離れなかったと思います。とてもインパクトのある出来事ですから。松江中学の教師になったのは、サワさんと結婚したかったからで、スーツを着て教壇に立っていると、サワさんのことを思い出してしまうんでしょうね。生徒が目の前にいるのに見えなくなっちゃうみたいな感じで演じてみました」

 生徒たちは、結婚の話はさておき、錦織が校長になる布石だよな、と噂(うわさ)している。

 トキはまた変装して通りを歩いていると、いつもと様子が違う。トキとヘブングッズが燃やされたり片付けられたりしている。

 みなさんの声に耳を傾けると「洋妾(ラシャメン)だったらしい」「夫婦になる代わりに借金返してもらっちょったとはのう」「がっかりだ」……等々、みんなが白い目でトキを見て、いたたまれなくてその場から駆け出す。これが「おごれるものは久しからず」か。まあトキはおごってはいなかったけれど。

 ちょっといろいろうまく行き過ぎたかもしれない。洋妾の件は、トキたちの勘違いだったから、そんなことはすっかり忘れていただろう。それがこんな形で街の人たちに疑われるようになるとは衝撃的だ。今週はなかなかしんどそうな話になりそうだ。

“サワショック”は相当なダメージ?濱正悟がトンチンカンな“あいさつ”で感じたこと〈ばけばけ第86回〉
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