
「かつて松江で暮らしていた、何の罪もない、悲しい娘のお話でございます」
何事か! と思えば、大好きな金縛りにあったようだ。
大好きな金縛りにもかかわらず、浮かない顔のトキ。
「今忙しいですか? 怪談 聞くしませんか」とヘブンを誘い、フミに怪談を語ってもらう。
「かつて松江で暮らしていた、何の罪もない、悲しい娘のお話でございます」
「なんと残酷な松江の町」の物語を聞いてトキが泣いていることにヘブンは気づく。
「松江はええところ」と言っていたトキだが、この怪談のように、町の人たちに心もカラダも傷つけられてしまった。
たぶん、まだその傷が癒えてなくて、金縛りにあい、大好きな怪談を聞いても癒やされずにいるのだろう。
別の日、外国から荷物が届いた。
「3、2、1 ヘブン!」と盛り上げて開けた箱の中身は、「日本滞在記」が製本されたものだった。
もうみんな大騒ぎ。
この本、米国での売れ行きはかなり好調で、なるべく早く次の本を書いてほしいという出版社からの手紙がついていた。
ヘブンはまず錦織(吉沢亮)に美しい装丁で分厚い見本を手渡す。次にトキ。それから、フミ、と司之介。
最初に錦織ということが、ヘブンと錦織の関係の深さを物語るようだ。ヘブンと錦織で、島根の教育のためにがんばろうと誓い合う。
これからまた新しい挑戦がはじまる。司之介も心機一転、「わしはとうとう牛乳屋を辞めた」と明かす。
「ゴクロウサマデシタ」。真っ先にヘブンが頭を下げた。
次にフミが深々と。トキも。
それからヘブンが再び頭を下げた。
「まだ髷(まげ)のあった頃から」とフミがしみじみ。武士だったのがいつの間か生きる道が変わって、いまがある。
また別の日だろうか。トキが買い物に行こうとすると、ヘブンが一緒に行くという。ひとりで大丈夫というトキだが……。







