そもそも侍は勝てるのか?

 いろいろと混乱する問題です。

 これ、単純に予想を立てていくとどうなるでしょう。

最初:侍1人、忍者100人

1日目:侍1人が忍者1人を倒して、忍者は99人に
→その後、侍は2人、忍者は198人にそれぞれ分身

2日目:侍2人が忍者2人を倒して、忍者は196人に
→その後、侍は4人、忍者は392人にそれぞれ分身

3日目:侍4人が忍者4人を倒して、忍者は388人に
→その後、侍は8人、忍者は776人にそれぞれ分身……

 ちょっと、考える気がなくなりますね……。

 あと、3日目終了時点で忍者は776人になっていて、やはり侍の勝ち目はなさそうに見えます。

シンプルな場合はどうなる?

 いったん単純なシチュエーションで考えてみましょう。

 わかりにくいのは「全員が毎日2人に分身していく」という点。

 この要素をなくせば、少し考えやすそうです。

 もし誰も2人に分身しないとすると?

 と、シンプルに考えてみましょう。

1日目:侍1人、忍者99人
2日目:侍1人、忍者98人
3日目:侍1人、忍者97人
…100日目:侍1人、忍者0人

 1日につき忍者を1人ずつ倒していくので、100日後に全滅します。

では、分身する場合は?

 さて、本題に戻りましょう。

 すべての侍とすべての忍者が、毎日2人に分身するとどうなるか?

 まず1日目の戦いで侍1人が忍者1人を倒し、その後、それぞれ2人に増えます。

 侍:1人→2人
忍者:100人→(1人倒されて)99人→198人

 つまり、こうですね。

 ここで、侍と忍者の半分を、

 いまいる屋敷Aとは別の、屋敷Bに移すと考えてみてください。

 すると2日目の最初の時点では、こんな状況になります。

・屋敷A
 侍:1人
 忍者:99人
・屋敷B(屋敷Aで1日目に増えた分を移動させた)
 侍:1人
 忍者:99人

 さて、2日目もそれぞれの屋敷で侍1人が忍者1人を倒し、それぞれまた分身して2倍になります。

 つまり、こうですね。

・屋敷A
 侍:1人→2人
 忍者:99人→(1人倒されて)98人→196人
・屋敷B(屋敷Aで1日目に増えた分を移動させた)
 侍:1人→2人
 忍者:99人→(1人倒されて)98人→196人

 そこで再び、屋敷Aで増えた分を屋敷A2に、屋敷Bで増えた分を屋敷B2にさらに分けます。

 すると3日目開始時点の内訳はこうなります。

・屋敷A
 侍:1人
 忍者:98人
・屋敷A2(屋敷Aで2日目に増えた分を移動させた)
 侍:1人
 忍者:98人
・屋敷B(屋敷Aで1日目に増えた分を移動させた)
 侍:1人
 忍者:98人
・屋敷B2(屋敷Bで2日目に増えた分を移動させた)
 侍:1人
 忍者:98人

 4つの屋敷にそれぞれ1人の侍と98人の忍者がいることになります。

1つずつの屋敷で起きていること

 何か気づきませんか?

 そう、屋敷の数は日が経つにつれて2倍になっていきますが、ひとつひとつの屋敷の状況は「もし誰も分裂しないとすると?」と仮定したときとまったく同じ末路を辿っています。

 すなわち各屋敷では、

1日目:侍1人、忍者99人
2日目:侍1人、忍者98人
3日目:侍1人、忍者97人
…100日目:侍1人、忍者0人

 となり、全屋敷で忍者は100日後に全滅します。

<正解>

100日目にすべての忍者は倒される

この問題から学べること

 かなり混乱する複雑な状況ですが、冷静に考えてみたら「基本ケース」が集まっているだけでした。

 全体を俯瞰すると「無理」と思い込んでしまうような状況でも、

 個別に考えてみると状況がシンプルになり、真実が導ける

 なんてこともあるんですね。

(本稿の問題は、シリーズ最新作『もっと!! 頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から抜粋しています。本シリーズでは同様の「読むほどに賢くなる問題」を多数紹介しています)