「逃げおおせた人」の
言語的な特徴とは?

書影『脳が長持ちする会話』(大武美保子、ウェッジ)『脳が長持ちする会話』(大武美保子、ウェッジ)

 修道院には、修道女となる際、出家の決意についての作文を提出する決まりがあるそうです。修道女が修道院に入った当時の知的な初期状態を把握するため、ナン・スタディでは、その作文の言語的な特徴を分析し、後の認知症発症率との相関を調べました。

 スノウドン博士の共同研究者である老年言語学者のスーザン・ケンパー博士によると、言語特徴量の中でも、意味密度という指標から推定される言語能力と、高齢期の認知症発症率の間には、相関関係がありました。

 私も、共想法(編集部注/認知症の発症を遅らせることにつながる会話支援手法)を中心とした会話による認知活動支援の研究を進める中で、その人が持つ会話の言語的な特徴が認知機能と関係することに注目してきました

 そして、会話を軸に、「する」と良いことを確実に「する」工夫がどんどん具体的なアクションとして蓄積されてきました。「最近の話をする」など、そのノウハウは本書でも多く紹介しています。