このように、面白そうなところへ行く計画を立て、実行することで、「計画実行機能」が活用できます。ウォーキングをこなすことに必死で、行って帰るだけの習慣よりも、認知機能活用の強度は段違いです。
複数のことに注意を向けて観察し
体験や発見を日常の話題にしよう
この計画実行機能の他にも、機能低下しやすい認知機能を活用するアプローチがあります。「3つの認知機能」を活用するのです。
脇目もふらずにウォーキングするのに比べ、脇見をしながら周囲を観察して、季節の変化や面白いできごとを発見できないか意識して歩くと、2つ以上のことを同時に行うために必要な認知機能である、複数のことに注意を向ける「注意分割機能」を活用することにつながります。
歩く道が変われば、目に飛び込んでくる情報も変わります。歩きながら発見したことを覚えておけば、誰かに話せますし、ブログや日記に書けます。感情がともなえばともなった分だけ、記憶に残りやすくなります。このようにして意識的に残す体験を日常会話の中で話題にすることで、体験に関する記憶、すなわち「体験記憶」が活用できます。
今挙げた3つの認知機能と、面白い話を見つけるときの活動との対応をまとめると、次のようになります。
・「計画実行機能」:面白そうなところに行く計画を立て、実行する
・「注意分割機能」←2つ以上のことを同時に行う:行動しながら周囲を注意深く観察して、面白いことに気づく
・「体験記憶」:面白いことがあったら覚えておき、人に伝える
加齢とともに低下しやすく、認知症を発症すると著しく機能低下して、日常生活に支障をきたすため、底上げが必要な認知機能である、「計画実行」「注意分割」「体験記憶」。この3つの機能を活用していると、話題は身の回りにあるはずなのに思いつかないということが減り、会話の密度も増すのです。
興味深いのは、聴覚、バランス感覚など、加齢とともに下がり、その機能を活用しても、向上しない種類の能力が存在することです。一方、ここで挙げる3つの認知機能は、活用するとそれぞれが機能向上することが知られています。
目の前の誰かと会話をするシチュエーションで、話題を見つけるのは簡単なことではありません。初対面ならもちろんのこと、相手が毎日顔を合わせている会社の上司や部下だからと言ってラクかと言えばそんなことはないでしょう。







