プロジェクトから降りて、会社をやめて、先輩から離れた環境になっても、まだ怒りの火種がくすぶり、再燃したりする……。

 それでは、気分が晴れるはずがありませんし、就活する意欲もわかないでしょう。

「自分が勝手に期待して、怒って、自分で勝手につぶれただけなのか……」

 こう気づけたAさんは、やっと怒りから解放されていきました。

 その後、Aさんは先輩に連絡をして、当時、自分がどんな気持ちだったかを正直に伝え、プロジェクトから降りたこと、会社をやめたことを謝罪しました。

 先輩はAさんからの連絡を喜んでくれたそうで、関係は修復され、いまでもいい関係が続いていると報告してくれました。

 その後の就職活動もうまくいって、いまは新しい職場で活躍されているそうです。

「内観」で怒りを手放す

「しつこい怒り」を抱えている人は、

「なぜ、あの人からこんな目にあうのか……」

「あの人に自分はいったい何をしたっていうんだ……」

 と考えがちです。被害者意識が強くなっています。

 被害者意識とは、加害者を責める気持ちでもあります。しかし、相手を責め続けている限り根本的な解決は難しいのです。

 ですから、自分自身に意識を向けること。

「私はなぜ、このような感情を抱いているのか?」

 と、内観(心の中を観察)して、自分の気持ちととことん向き合ってみることをおすすめしたいと思います。

「私は、こういわれて悔しかったんだな」

「私は、こうされて悲しかったんだな」

 と。

 主語を「あの人」ではなく「私」にして、自分の怒りの感情を追究するのです。

 その怒りの感情は、けっして好ましいものではないかもしれませんが、内観を通じて自己を深く見つめ直すことで成長のきっかけとなり、自分を変えるチャンスになる可能性があります。

 人生で、自分の思いどおりになることはほとんどありません。

 予期せぬことに落ち込んだり、傷ついたり、不安になったりすることがあります。ムカムカしたり、イライラしたりして、相手に怒りをぶつけてしまって人間関係を悪くしてしまうようなこともあります。

 けれど、そんな自分のネガティブな感情としっかり向き合い、その上で自分の人生に集中していける人は、ネガティブな感情に振り回されることから解放され、充実して生きていけるのです。