IRへの電話でXを先回りして、
TOBの可能性を探る
TOB(株式公開買い付け)やMBO(経営陣による買収)も、利益拡大を狙えるチャンスだ。ただ、TOBやMBOは発表された瞬間に、当該企業の株価が上がってしまい間に合わないことが多い。
TOBは株式市場の場が閉まる15時30分以降に、決算と同時に発表されることが多い。毎回場中に決算開示する企業が、例年と同じ時刻に開示しないと、「X」でTOBの思惑が広がり、株価が上がっていく現象も見られるようになった。
sakuさんは、Xよりも早く情報を把握するため、目ぼしい企業には朝からIRに電話して、決算開示時刻を確認するといった地味な作業も行っている。いつもは場中に決算を開示するのに、今回は15時30分以降なら、TOBの可能性があるし、Xで情報が拡散して株価が上がってしまう前に仕込むことができる。
TOBされる企業だけではなく、
その大株主を狙う
またもうひとつの狙い目は、買収される企業そのものだけではなく、その企業の株を大量に保有している大株主だ。
2025年10月、住友商事(8053)によるSCSK(9719)のTOB観測が流れた際には、SCSKだけではなくその大株主であるアルゴグラフィックス(7595)にも目をつけた。 アルゴグラフィックスが保有するSCSK株約300万株が現金化されれば、百数十億円の特別利益が発生すると算出。しかし、この期待はまだ株価に織り込まれていないと判断し、大量に買い付けた。
仮にTOBが実現しなかった、あるいはこの材料に市場が反応しないとしても、アルゴグラフィックスの株価が下落するリスクは限定的。一方で、読みが当たれば株価の大幅上昇が狙える。
前編の第一次トランプ政権の誕生に賭けたトレードのように、「当たれば利益は大きいが、外れても下値リスクは限定的」な局面で、大きく投資するのがsakuさん流だ。
「投資信託など運用方針が限定されている機関投資家とは異なり、いろんな手法を混ぜて運用できるのが個人投資家の強みです。ある手法が、いつでも有効かというとそうでもありません。相場の状況を見ながら、柔軟に有効な手法に切り替えるし、新しい投資アイデアをいつも考えています」
現在、ポートフォリオは約40~60銘柄に分散されているが、各銘柄には必ず「買った理由」と「売却する条件」、そして「チェック日」をメモして管理している。
特定の手法に頼らないことで、どのような場面でも、リスクを抑えつつ利益を最大化できることを目指している。
本記事は2026年2月6日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。







