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学歴コンプレックスを抱える関口麗子さんは、息子を「東大に行かせたい」と考え塾に通わせた。そこで出会った東大卒のさわやかな講師にほれ、息子の家庭教師を頼むこととなる。しかし、これが悲劇の始まりだった。麗子さんの気の迷いで崩壊した関口家の悲劇を、犯罪加害者家族への支援を展開する筆者が語る。※本稿は、NPO法人World Open Heart理事長の阿部恭子『お金持ちはなぜ不幸になるのか』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。本記事で紹介する事例は個人が特定されないよう修正を加え、登場人物はすべて仮名としています。
東大卒さわやか塾講師を
なんとしても手に入れたい
真夏の昼下がり。私はひとり、部屋で沢村啓介(編集部注/40代。関口麗子さんの息子が通う進学塾の講師。東大大学院出身)が来るのを待っていました。
数ヵ月前に出会い、恋しくて仕方のなかった男とようやくふたりきりで会えるのです。私は家庭の主婦という立場も忘れ、よからぬ想像ばかりが頭を巡っていました。
約束の時間丁度に、沢村はインターホンを鳴らしました。これほど胸が高鳴った経験は初めてかもしれません。
「こんにちは、沢村です。和樹君のお母さんですよね?」
息子の名前が出た途端、気持ちが萎えていくのを感じました。
「関口麗子と言います。麗子と呼んでください」
「あ、はい。五月さんからお話を伺いまして、今日は本当にありがとうございます」
彼が小川五月(編集部注/関口麗子さんの女友達。東大出身で、沢村とは学生時代からの知り合い)の名前を呼んだことに、私はまた嫉妬していました。
「以前から一度、先生とお話ししたいと思っていたんです」
沢村は驚いた表情を見せた。
「それはまた、どうして?」
「私たち、和樹を東大に入れたいんです」
「なるほど」
「そのために、和樹だけじゃなく、私たち保護者の力にもなっていただきたくて」







