2人の心理テスト結果を夫婦カウンセリングの場で伝え、
「綾美さんが、尽くし過ぎてしまったのかもしれませんね」
と私は説明しました。
「夫はいなくなることはないだろうって思ってはいるんですけど、やっぱりどこかで『嫌われたくない』と思っている所はあって。でも、むしろ夫に対しては、『喜んでくれるならやってあげよう』と思っていたように思います」
綾美さんは続けます。
『夫婦はなぜ壊れるのか カウンセリングの現場で見た絶望と変化』山脇由貴子 幻冬舎
「ちゃんと私が『出来ない』って言えば良かったんですよね。こんな風に不満を募らせて、カウンセリングに連れて来るくらいなら」
と今度は自分を責め始めました。すると隆之さんは、
「いや、僕が甘え過ぎてたんだと思う。今までも『具合悪い』とか『ちょっと熱っぽい』と言ってる時でも、ちゃんとご飯は作ってくれていたし、寝ている時に僕が『何か作ろうか』って言っても『私がやるから』って起きて来てくれたから……。どのくらい具合が悪いのか、考えなくなってたと思う。綾美はいつも優しいし、僕の食べたいものを優先してくれているからそれが当たり前になっちゃっていて……。ごめん」
と自然に謝ってくれました。隆之さんは、綾美さんの生い立ちはしっかり聞いていたので、抱えているものの大きさは理解しているつもりだったけれど、自分に対しても不安を抱いている事には気づけなかった、と言いました。
「これからは、気をつけるようにします」
隆之さんがそう言い、綾美さんも
「私も、本当に動けない時はちゃんと伝えます。手伝って欲しい事、やって欲しい事は伝えるようにします」
と自ら言ってくれました。もともと仲が良い夫婦です。カウンセリングは終了とし、その後も連絡は来ていません。







