振り返ってみると、小学時代の3年間(小1から小3まで)、中学時代の3年間、高校時代の3年間、同じ3年間でもどんどん短く感じます。まさに「光陰矢のごとし」を私たちは年を取るごとに実感していきます。

 いったいなぜ?時間の不思議の謎解きにしばし時間を費やしてみましょう。

謎多き存在である
「時間」の正体

 そもそも時間は謎多き存在です。宇宙の宇とは空間、宙は時を意味します。宇宙――時間と空間と物質を考察するのが物理学。物理学者の間でも時間の正体についての議論は続いています。

「月」「日」という漢字からわかるように、星の規則的な運動によってつくりだされる時間を私たちは使ってきました。星が歯車機械に置き換わったのが時計です。現代人は時を知るために天を仰ぎ見ることはなくなり、その代わりにスマホを見るようになりました。

 ところで、分子生物学の進歩により体内時計のメカニズムが解明されだしています。興味深いことに生物は、地球の自転による24時間周期で体内環境を変化させる機能を持っています。

 ではなぜ体内時計は24時間のリズムを刻むことができるのでしょうか。その謎解きの鍵が、時計遺伝子の発見です(2017年のノーベル生理学・医学賞)。体内時計の細胞では、いくつかの時計遺伝子が時計蛋白を合成し、それらが結合・分解するリズムが約24時間周期であることが体内時計のメカニズムだと明らかになりました。

 物理学的・生物学的な時間の謎解きは難解です。そこにちょうどいい謎解きのヒントを与えてくれるものがあります。人生です。自分の人生という時間を見つめることで誰でも時間の謎解きに参加できます。

ジャネが導き出した
「時間の感じ方」の法則

 なぜ私たちは小さいころは時間を長く感じ、年を取ると短く感じるようになるのか。

 フランスの哲学者ポール・アレクサンドル・ルネ・ジャネ(1823~1899)は、この人間の時間の感じ方を考察しました。そして、次のように結論づけました。

 人間にとって現在という時間の感じ方は、これまで生きてきた時間との比として感じている。――ジャネの法則