「成績は少しずつトータルで見ると上がり続けていました。点数が(前年に比べて)微増の場合もあれば、たまに何十点か上がるということを繰り返す十数年で、最後の年には共通一次・センター試験で一度も満点を取れなかった科目は、国語と英語だけになっていました。合計で、共通一次とセンター試験は20回、東大は18回受けましたね。

 昔はセンター試験の足切りラインはさほど高くなかったので、2段階選抜を突破できずに足切りにあったことは一度もありませんでした。それでも、全部の科目で高得点を取れることがなかなかなかったのです」

 どこの大学もE判定だった模試の成績も、5~6浪目くらいからはD判定が出るようになり、19浪目には東大でC判定が出るようになったそうです。しかし、ここまで長く受験勉強を続けられた秘訣はいったい何なのでしょうか。

「実は私も『よくそんな長い間勉強して、嫌にならないの?』と言われました。たしかに毎年、受験に失敗したそのときだけは落ち込んでいましたね。でも、自分の性格的にすぐ気持ちを切り替えられるのが良い点だったのだと思います。

 何浪かした時点で、一流企業に就職するのは諦めていました。でも、『どうなっても、自分の人生だ』と達観していて、自分を雇ってくれるところで生きていければいいやと思っていたのが良かったですね。勉強に関しても、毎年アルバイトと勉強を交互にやる感じで、根を詰めて勉強をずっとしているような1年じゃなかったので続けられたのだと思います」

 マイペースでのんびり屋さんの性格が良かったためか、メンタルが落ち込んだり、人生が嫌になったりすることもなく浪人生活を続けられたそうです。しかし、20年間続いた受験生活もついに終わるときが来ました。

ついに20年間の受験生活を
終えるときが来る

 19浪目、2004年に受けたセンター試験で過去最高の770点(900点満点)を獲得した山田さん。この年も前期日程で東大を受験しますが、受験生活20年目にして初めて、後期で九州大学工学部電気情報工学科に出願しました。その理由は、自身ではなく、家族の状況の変化が大きかったそうです。