最も大事なことは
「相手の良いところ」を伝えること

 緊張しているからといってムッツリした顔や、黙って渡すのはNG。相手の脳がポジティブなシーンと受け取る「笑顔」がいいですね。

 そして「好きです」などという自分の感情を伝えてもいいのですが、最も大事なことは「相手の良いところ」を伝えること。それも文章の方がしっかりと正確に伝わりやすいでしょう。

 実は、脳ではポジティブな言葉とネガティブな言葉の仕分けを自動的に行っていることが私たちの研究で分かっています。

 ですから仕事関係の人なら、「この前のプレゼンテーションはとても素敵(すてき)だった」という褒め言葉や、「いつも分かりやすく仕事を教えてくれてありがとう」という感謝の言葉を一言(ひとこと)書き、チョコレートに添えるのです。

 運動を頑張っている人なら「この前の試合のシュートは素晴らしかった」「××の記録を出すなんてすごいね」などというように、相手が言われてうれしいことを察することも大切です。

事前に知らせるよりも
「サプライズ」がお勧めなワケ

 相手の脳は、チョコレートとともに、あなたの笑顔や褒め言葉を「報酬」と判断し、黒質からドーパミンを出して交感神経を活性化させます。相手の脳に「うれしい」という気持ちを持たせると、記憶に残りやすくなり、好感を引き起こせる可能性が高まります。

 ちなみに事前にプレゼントすることをお知らせしていると、脳が報酬を受け取る準備をしてうれしさの効果が小さくなる可能性があるため、「サプライズ」がお勧めですよ。

ネガティブな文とポジティブな文、
どちらが記憶に残るのか?

「記憶」の面白さが分かると思いますので、私たちの研究室が行ってきた実験を簡単にお伝えしましょう。

 まず私たちは大学生を対象に、調査用紙に書かれた文を読んでもらい、それぞれの文を選んで得られる情動(一時的な感情の動き)が、どの程度ポジティブかネガティブかの評定を10段階で評価してもらいました。

 次に、評価された結果から、特にポジティブな効果を与える文を70文と、ネガティブな効果を与える文を70文、そのどちらでもない評価値が中間くらいの70文を選択しました。