でも、人と出会ったり、誰かといっしょに何かを考えたり、意見を交わしながら世界を変えていくことは飽きないのだろう。きっと、そこには人との「つながり」があるからだと僕は思う。

 実は、仕事とは社会とつながるための手段なのだ。世界を動かすこと、世界に何かを付け加えること。それこそが、僕たちが社会や他人とつながるための唯一の方法なのだ。

 誰かといっしょに何かを作ったり、悩んだり、意見をぶつけ合ったり、解決したりする。その関係の中に、自分の存在が形を持ちはじめる。そして、そんな時間を重ねるうちに、人と人との間に信頼が生まれ、役割が生まれ、それがまた次の行動につながっていく。

『選ばない仕事選び』書影選ばない仕事選び』(浅生 鴨、筑摩書房)

 それが働くことの本質だ。働かないとき、僕たちは孤独になる。僕たちは、誰ともつながらないまま1人で生きていくことのできない生き物だ。だから大人たちが「働かないと生きていけない」と言うのは正しい。

 でも、それはお金や生活のためじゃない。必要なのは、人とのつながり、社会とのつながりなのだ。

 社会とつながること。人とつながること。それは働くときだけでなく、君の人生にとっても、きっととても大切なことだと僕は思う。世界に何かを付け加える行動、世界を少し変える行動が仕事だ。

 でも、その行動を1人だけでなく誰かと一緒にできたら、仕事はもっと楽しくなるのかもしれない。