「フリック入力」を考案して特許を取得写真はイメージです Photo:PIXTA

「フリック入力」を考案して特許を取得し、その特許をMicrosoftに売却。そのおかげで「人生100回分」稼いだ著者が、発明から特許取得、マネタイズに至るまでの生々しい裏話を大公開。Apple、Google、Microsoft、ソフトバンク、ドコモとの驚きの攻防戦を語る。※本稿は、小川コータ『発明で食っていく方法、全部書いた。(フリック入力をマイクロソフトに売却して人生100回分稼いだ発明家が明かす、発想法からマネタイズまで)』(家の光協会)の一部を抜粋・編集したものです。

ドコモとソフトバンクへ
売り込んでみたものの…

 iPhoneがアメリカで発売され、いずれ日本でも発売されるだろうという2008年2月頃、日本版のiPhoneにはぜひフリック入力を採用してほしいと思い、僕は、東京工業大学の社会人学生のツテをフルに活かし、友人の友人をたどって、ドコモとソフトバンクの開発部門の社員の方を紹介してもらい、それぞれにフリック入力をプレゼンしました。

 ところが、彼らはなぜか反応がイマイチで、「うーん、そんなに実用性がないかな」というリアクション。どちらも、それっきりになってしまいました。

 やっぱり、覚えるのが難しいのかな、それとも、社外の人の提案は採用しづらいのかな、と僕はあきらめかけていました。

心底びっくり!
iPhoneに搭載されてた!

 2008年7月11日、iPhoneが日本に上陸しました。最初に発売したキャリアは、ソフトバンクでした。そのときテレビで、フリック入力が紹介されました。

 俺のやつじゃん!まんまじゃん!

 心底びっくりしました。不採用だと思っていたのに?