収入は一定だけども、物価高で出ていくお金は増えるいっぽうだね。しょうがない。お父さんは、荒れてた時期もあったけど、いまはだいぶ丸くなって。力も弱まった。いまなんて、喧嘩になってもお母さんのほうが勝てそうだもん。

 お金も印鑑も全部お母さんが握ってるしね。お父さんは、昔のお父さんやから、お母さんがおらんかったら、何もできん。いまは、立場逆転です。」

インタビュー後のアフタートーク!

 実家のお金関係のことは、以前、母に聞いたことがありました。ある程度のことは知っていたのですが、家賃収入の具体的な金額までは知らなかったので、驚きました。想像以上の金額で安心もしました。

 我が家は、亭主関白な職人の父を中心とした家庭だったので、家族でお金の話をした記憶はありません。そんなに裕福な家庭ではなかったと思いますが、したい習い事もさせてもらえたし、自分の家が貧乏だと思ったこともありません。両親は、私たちに不自由な思いをさせないよう、頑張ってくれていたのだなぁと思います。

『聞くのがこわい年金の話 年金、いくらですか?』書影『聞くのがこわい年金の話 年金、いくらですか?』(梅子の年金トーク!、興陽館)

 包み隠さずお話しした通り、父には年金がありません。すべてのお金の管理も母がしているので、母にもしものことが起こったらとても困るなと思っていますが、いま現在は、両親とも不自由なく暮らせています。

 父の状況からおわかりいただけたと思いますが、無年金者になる過程は、ものすごく特異な事態が影響しているわけではありません。「資料がないから引き継げなかった」「あきらめちゃった」そんな、些細なことから発生してしまうのです。

 ここでは私の父の例をお伝えしましたが、ほかにも、取材で、無年金者の方に遭遇しています。皆さん一様に後悔していたので、払えない人や無年金者になる可能性がある人は、年金事務所などに相談に行くことをおすすめします。あきらめずに相談することで何かできる対策が見つかるかもしれません。

【年金格言】無年金者にならないよう手続きを!