不動産業界は大手が圧倒的なシェアを占める。売上高100億円以上の社数はわずか4%(244社)にすぎない。だが、この4%が売り上げ全体では約8割(77.3%)、13兆4198億円を稼ぎ出す。それだけ大手に偏った業界で、中堅以下の企業が不動産物件の仕入れにしのぎを削って激しい競争を繰り広げている。

 これを裏付けるように一見、好調な業績にみえるが、最新期は増収45.1%、減収37.6%、横ばい17.2%と増減収の企業は拮抗している。また、利益は黒字企業が84.9%と高いが、赤字率は15.0%で2期前に比べ0.9ポイント上昇している。増収増益率は30.3%に対し、減収減益も25.1%と、静かに二極化が進行している。

競争力のない企業の淘汰が加速

 不動産売買業の倒産は26年1月までで115件に達している。24年度は1年間で112件だったことから、2025年度がすでに10カ月で上回っている。2007年の信用保証協会の責任共有制度、そして2008年のリーマン・ショックで不動産業の倒産が相次いだ2008年度の256件には及ばないが、2016年度以降の過去10年間では最多となっており、潮目は変わりつつある。

 倒産した115件をみると、破産が110件と95.6%を占めた。多額の負債を抱え、事業再生の兆しがみえずに倒産に至るケースが大半だ。倒産原因では、赤字累積の既往のシワ寄せは16件と前年度(1年間)より23.8%減少しており、赤字を抱えた倒産は意外に少ない。

 だが、販売不振は75件(前年度比5.6%増)と、競争力のない企業の淘汰が加速していることがわかる。地価高騰や建材価格の高騰で物件単価が上昇しており、右から左に物件を動かすと金額の水膨れで売り上げが伸びやすいが、最終顧客を見つけきれない業者が販売不振に陥っているようだ。