都道府県別では、関東の倒産増が際立っている。関東は58件(前年度43件)で3割強も増えた。特に、東京都38件(同27件)と千葉県6件(同1件)の増加が目立つ。都市部は、地価や建物価格の上昇で表面的には事業拡大しているようにみえるが、厳しい経営環境の不動産売買業も水面下で増えてきた。

 また、倒産以外で事業を停止する休廃業・解散も増加している。2021年まで年間1000件前後で推移していたが、コロナ禍明けの2022年は1433件とジワリ増え、2024年に一気に1936件と急増。そして、2025年は初めて2000件を超えた。

 2025年の休廃業・解散2000件のうち、最新期の利益が判明した企業を分析すると、約6割(59.1%)が黒字、赤字は4割(40.8%)で、体力を温存した早めの市場退出が多い。それだけ、不動産マーケットの先行きに危うさを感じる経営者が多いのかもしれない。

大手との競争激化に苦しむ業者も

 不動産の大手企業はそろって好調だ。2月9日までに公表した2026年3月期の連結業績予想は、三井不動産が売上高2兆7000億円(前期比2.8%増)、営業利益3950億円(同6.0%増)。三菱地所は売上高1兆8500億円(同17.1%増)、営業利益3300億円(同6.7%増)、住友不動産は売上高1兆500億円(同3.5%増)、営業利益2950億円(同8.6%増)といずれも増収増益を見込んでいる。

 だが、ひと握りのガリバー企業以外となると事情は異なるようだ。都内の不動産業の営業担当者は、「大手ハウスビルダーがいまだに土地を買い漁っている。大工や内装なども(大手ハウスビルダーへ)専属下請けとして移ってしまい、かなり厳しい。土地も建築費も上昇してしまい千葉や神奈川などの土地を仕入れてなんとかやりくりしている」と大手との競争も激化しているという。

 首都圏の不動産業の経営者は、「仕入れの谷間がキーポイントだ」と語る。コロナ禍は物件の値上がりが続き、不動産業者も強気になっていた。「だが、駅から離れた物件などで価格上昇が止まり、一部では下がるところも出てきた。その谷間で物件を多く抱える業者がきつくなってきた」と声を潜める。