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業績が好調な不動産業界で、倒産が急増している。2025年度は1月までの10カ月間で115件に達し、すでに2024年度通年の112件を超えて過去10年で最多を更新中だ。一方、都心部では強気相場も続く。強弱入り交じる現状を、東京商工リサーチ(TSR)が解説する。(東京商工リサーチ情報部 後藤賢治)
不動産業界で静かに進む業績の二極化
業績が絶好調の不動産業の雲行きが少し怪しくなってきた。最新決算で売上高、利益ともに最高を記録した不動産売買業で、倒産が急増しているのだ。2025年度の倒産は1月までの10カ月間で、すでに2024年度1年間の112件を上回る115件に達し、過去10年で最多を更新中だ。
ある不動産業者は、「業績確保や銀行との関係で無理して取得した物件の価格上昇が止まり、在庫を抱えてダメージを受けている業者もいる。銀行が簡単に融資してくれたことで身の丈に合わない規模になった業者の淘汰が進んでいるようだ」と指摘する。一方、別の不動産業者は、「まわりで倒産した企業はあまりみない。好立地な物件は未だに強気の価格推移だ」とまだまだ伸びると話す業者も多い。
東京など一部の大都市は、不動産価格の上昇に歯止めが掛からず、普通より少し高いマンションも「億ション」と呼ばれるようになった。我が世の春を謳歌していると思われた不動産業界で、強気と倒産と弱気が交錯する。
TSRが保有する全国440万社の企業情報から、7期連続で売り上げと利益(最終利益)が比較可能な不動産業(土地、建物の売買業)の6090社を抽出し、分析した。
コロナ禍の2020年度(2020年7月期から2021年6月期)は、売上高が13兆4552億円、利益は8562億円だった。だが、21年度は売上高が14兆2077億円(前期比5.5%増)、利益が1兆227億円(同19.4%増)と急伸。最新の24年度の売上高は17兆3430億円(同7.9%増)、利益が1兆3063億円(同6.8%増)まで拡大。7年間で売上高・利益とも最高を記録した。







