朝イチの何げない習慣の積み重ねが、意外とやる気やパフォーマンスにつながっている。では、朝のいい習慣、悪い習慣とは? 医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏が書き、世界20か国以上で続々刊行されている『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』からヒントを紹介しよう。(ダイヤモンド社書籍編集局・三浦岳)
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1日の「最悪な始め方」
1日のパフォーマンスを最大化し、仕事で成果を出したいと願うなら、いますぐ見直すべき習慣がある。それは「朝食抜き」だ。
体内時計を整え、代謝や覚醒を促す朝の時間帯に、何も摂らずに仕事を始めるのは、エンジンを十分に温めないまま走り出すようなものだ。
医師で老年医学・栄養科学の専門家であるガブリエル・ライオン氏は、著書『筋肉が全て』の中で、次のように言う。
ロイシン(必須アミノ酸)からの十分なシグナルがないと、筋肉はこの食事には筋タンパク質合成に必要な栄養が足りないと判断する。
足りていれば筋肉の合成に使われるタンパク質だが、足りないと、足りないなりに筋タンパク質合成に使われるということにはならず、摂取したカロリーのうち運動で消費されなかった分が脂肪として蓄積されてしまう。その結果、十分なタンパク質が摂取されるまで筋肉の分解が続くのだ。
しかし、朝食で十分なタンパク質を摂取すれば筋タンパク質合成が進み、短期的にも長期的にもよい結果が得られる。――『筋肉が全て』より
筋肉は体のエネルギー消費を支える大きな組織だ。朝に十分なタンパク質をとってその合成を促すことは、エネルギーを使いやすい状態を保つことにつながる。朝の一食は、筋肉を通じて代謝の流れを整える時間なのだ。
朝食にはタンパク質が必要
朝に何を食べるかは、その日の代謝や空腹感、さらには思考の冴え方にまで影響を与える「最初の選択」になる。
ライオン氏はとくに、「1日の最初の食事でタンパク質を十分に摂取すれば、その後の食欲を抑えることができ、高脂肪または高糖のスナックが欲しくなる時間帯でも誘惑を遠ざける効果がある」と語る。
忙しい日ほど何も食べないという極端な判断をしがちだが、少量でもタンパク質摂取を意識するだけで、体の反応は変わる。卵でも納豆でも豆腐でも、続くものから始めるといい。
その差は一日単位では小さく見えても、数週間、数か月と積み重なれば無視できない差になる。その小さな差が、集中力や判断力の安定となって表れ、ひいてはパフォーマンスに大きな差を生むことになる。
(本記事は、ガブリエル・ライオン著『筋肉が全て━━健康・不老・メンタル、人生のすべてが変わる唯一の方法』に関連した書き下ろし記事です)
医師(DO)
イリノイ大学で栄養科学の学部課程を修了後、セントルイス・ワシントン大学において老年医学・栄養科学の臨床・研究フェローシップを修了。健康、パフォーマンス、老化、疾病予防におけるタンパク質の種類および摂取量の実践的応用に関する分野の専門家、教育者として活躍している。筋肉についての最新研究を網羅した本書は全米で大きな話題を呼び、ニューヨーク・タイムズベストセラー、ウォール・ストリート・ジャーナルベストセラー、USAトゥデイベストセラーとなり、世界各国での刊行が続いている。







