ドナルド・トランプ米大統領が昨年、再選を果たし、世界秩序を覆して以来、外国人が米国資産を投げ売りする「米国売り」の脅威が市場に影を落としてきた。ドルが数年ぶりの安値まで下落したことは、外国人投資家が米国に対して神経質になっていることを示す最も明確な兆候だ。外国人投資家は米国の株式と長期債に36兆ドル(約5510兆円)を投資している。外国人投資家による米国債購入ペースは減速しており、欧州の年金基金など一部の投資家は売り手に転じている。しかし、米国株は依然として例外で、海外からの資金流入が続いており、人工知能(AI)を巡る懸念を乗り越えて株価指数を支えている。その結果、及び腰の「米国売り」トレードが生じている。つまり、米国へのエクスポージャーを排除するのでなく、ヘッジしたいという願望を反映したトレードだ。ただ、欧州やアジアの投資家が米国への投資の一部を縮小するにつれ、世界市場における米国の優位性は疑問視されている。米政府はこれまでこの優位性によってより低コストで借り入れをし、一般投資家を豊かにし、米国企業に資金を供給することができた。