まず、矛盾した二つのメッセージによって混乱を引き起こす「ダブルバインド」をする上司です。

 例えば日頃から「どんどん発言しなさい」と上司が言う。だから部下が会議ではりきって意見を述べると、「うるさい! なんでそんなことを言うんだ」と怒るというような上司ですね。これは親子でも夫婦関係でもそうですが、ダブルバインドの状態が繰り返されると、相手を信頼できなくなります。部下も力を発揮できなくなるでしょう。

プロセスを見ない上司も
部下を潰してしまう

 そしてもうひとつ、「プロセスを見ない」上司もNG。たとえ仕事の業績や結果が芳しくなくても、部下がその過程で頑張って取り組んだところはきちんと見て、認めてあげなくてはいけません。

 これは完璧主義な人に多いのですが、完璧主義には「適応的完璧主義」と「不適応的完璧主義」があります。高い目標を目指して努力するというプロセスを評価せず、失敗したという結果だけを見ることを不適応的完璧主義と言い、こちらはダメ上司。

 一方で自分にも他者(部下)に対しても努力の過程を評価し、たとえ失敗しても、「ここまで努力したこと」を認められる場合、それは適応的完璧主義と言います。こちらはOK。上司に頑張ったプロセスを見てもらえていると、部下は安心するのです。

 ダブルバインドをしない。プロセスを見る視点をもつ。その二つを守れば、素晴らしいリーダーシップを発揮できるでしょう。

「話を聞きます」という
心構えも大切

 そうそう、あともうひとつ、「話しかけやすいオーラ」もあるといいですね。自分が新入社員だった頃を考えても、話しかけやすい上司と、話しかけにくい上司がいたでしょう。話しかけやすい上司とは、部下もコミュニケーションが取りやすく、業務が円滑に進みやすいのです。ですから話しかけやすい上司のオーラを研究してもいいですね。

 心療内科医の私からのアドバイスとしては、「話を聞きます」という心構えさえ持っていれば、わりと人は近寄ってきます。子どもの頃に「先生、わからないからあてないで」と思っていた時のような、「私は不安だから近寄らないでください」というオーラを出してはダメなのです(笑)。