茂吉とイセの言い伝え勝負
思えば、先週の水曜日も荒金回であった。
借金コントを2週にわたって展開。希望、絶望、希望をゆるやかな波のように。
作家の感性と技術的には高く評価できるが、こういうものを好まない層も一定数いるだろう。とくに、生真面目な層には受けないだろう。実際、先週の借金コントは賛否両論であった。
繰り返すが、感性と技術点は高い、と筆者は思う。
考えてみようじゃないか。荒金のターンで心がざわついた視聴者は少なくないだろう。ざわつき――心が動くことこそがドラマには重要だ。
でもふじきみつ彦は、さんざん視聴者の気持ちを揺さぶった割には結果をそう悪くは描いていない。たわいない、な〜んだ、という笑いは、誰も不幸にならない。ぬるめのお風呂が好きな人におすすめのドラマである。
結局、ヘブンの題材はなかなかみつからない。
フミの購入した本には食指が動かないヘブンだが、トキが連れてきた吉野イセが言い伝えに詳しいと聞いて興味を持つ。
丈(杉田雷麟)たちは村上茂吉を連れてきた。
茂吉とイセの言い伝え勝負がはじまる。
イセは、襖(ふすま)と人の死にまつわる言い伝え。
「日本らしい すばらしい」とたたえながら、ヘブンはその根拠と実例を聞く。ただの怪談好きではない、ジャーナリストらしさがある。
イセは、それはわからない、と困った様子。批判されてすねた感じの動きが印象的。
茂吉は人のぬくもりにまつわる言い伝え。
「ぬくもり 日本らしい」とヘブンは興味を持つが、それはすでにクマ(夏目透羽)が話したことだった。
いら立つヘブン。
困ったトキ。
ヘブンの題材選びと、呪われているというイセがどう結びつくか、ふじきみつ彦先生の筆さばきに期待しよう。









