
トキが主人公らしく大活躍
イセは呪われた顛末(てんまつ)を話すことをしぶしぶ承諾すると、茂吉はほんとうの呪いの話だからとそそくさと席を立つ。その場にいると呪われかねないということだろうか。松野家一同はちょっと不安な表情に。
「それでは“人形の墓”というものはご存じでしょうか」
「知らない」とヘブン。
「私も聞いたことがあります」とクマ(夏目透羽)がおびえたように少し距離をとる。
イセは話し出す。正木(日高由起刀)が通訳しようとするとヘブンは「要らない」と制す。ついに本気になったヘブン。
それはイセが10歳の頃の話。両親と兄と4人で暮らしていたが、父親が急に病で亡くなり、ほどなくして母親もまた病で亡くなった。
司之介(岡部たかし)もこわくなってクマの隣へ避難。
1軒の家で1年のうちに2人死ぬとすぐに3人目が死に、4人目から先は、たとえ生き延びたとしても呪われた一生を過ごすという言い伝えがあり、藁(わら)人形を入れた人形の墓と言われる小さな墓を作ればそれが避けられると言われていた。だが兄とイセは迷信だと聞かず人形の墓を作らなかった。
すると兄も亡くなり、そこまで来てイセはあわてて藁人形をこしらえ人形の墓を作ったが、大病にかかり生死をさまよい、借金に生活苦。頼る親戚にもお荷物扱いをされ家を出され、周りからは言い伝え通り呪われたと避けられるようになった。
イセの悲しい身の上に、松野家一同は言葉がない。
「自業自得いうか、言い伝えばバカにしたらいかんいうことたい」と茂吉の言うことも間違いではない気がしてくる。
「私もそれからは言い伝えば信じるようになりました」とイセはうなだれて「呪われる前に塩まいてお清めしてください」と席を立った。
そのとき、イセの座っていた場所にトキが座ろうとする。「まだぬくもっとるあんたが呪われるばい」と止められるが「大丈夫ですけん」。
トキは言い伝えを「むしろ信じちょります。信じちょるけん、呪われるとか、楽しくてゾクゾクします」と清光院チャレンジしたときのような表情になっている。
「来た来た、感じちょる。こんなに重たいんだ」「大丈夫かわからんけど楽しい。ふふふ」とひとしきりはしゃいだトキは「おイセさん 不幸せ 私に乗り移ったけん」と言う。
「これからはきっとええことある。昔は私もええことなかった。だけど今はええこといっぱいある」
トキに言われて、思わず笑顔になるイセ。トキはそのまま倒れてしまう。
その晩、ヘブンが書き物をしている。トキはふつうにお茶を持ってくる。
「話悲しい。でもトキさん素晴らしい心」とヘブンがたたえると、トキはこう言うのだ。
「ただの呪われたがりなだけですけん」
今度はヘブンがブードゥ人形を持ってきて「不幸せ 呪い 移るしました」と身代わりにする。
「アナタの言葉、あなたの考え、わたし必要。もっともっとネガイマス」
トキ、主人公としての面目躍如である。







