キッチンエールは、こうした構造的な難しさを、センター型の効率によって克服した数少ない成功例である。
筆者は2008年に大阪・吹田市にある江坂センターを見学したが、ベルトコンベアで流れる商品を瞬時に仕分ける工程は、当時としては非常に効率的で、センター型の強みを体現していた。同社は関東進出も試みたが、現在は関西エリアに集中している。
他社の状況を見ても、楽天、イトーヨーカドー、そしてコスモス薬品など、いずれも参入したが、撤退もしくは主力にはなっていない。
ネットスーパーは魅力的な市場ではあるものの、コントロールすることがいかに難しいかがわかる。
関東で激化する競争、サミットvsライフ
サミットは一度ネットスーパー事業から撤退したものの、再び参入し、現在は世田谷エリアでライフと競合している。桜新町〜用賀〜深沢、さらに上用賀・深沢・弦巻周辺では、サミットの配送エリアとライフの実店舗商圏が大きく重なり、競争が顕在化している。
ライフはネットスーパー事業の売り上げを250億円(前期)から300億円(26年2月期)へ拡大中で、市場の追い風を受けている。既存の店舗出荷型では拠点スペースや人員の制約から拡張が難しいと判断し、「配送効率・ピッキング効率の改善が最大の課題」 として、センター型への移行を決断した。
元々、イトーヨーカドーが使っていた大型物流施設の既存設備を引き継ぐ形にして投資を圧縮できたことも追い風となり、2027年にはピッキングセンターが稼働予定である。
惣菜についても、かつてイトーヨーカドーでは配送していなかったが、ライフは今後導入を進めたいと言及している。
ライフによると、店舗出荷型では開店時間帯の作業制約から生じていた 「チャンスロス30億円」を解消し、出店コストの問題も解消できる見込みだと言う。







