Photo by Nami Shitamoto
この秋から、トライアルホールディングスが独自開発した小型店舗フォーマット「トライアルGO」の首都圏での出店が始まる。そこで、売り上げへの影響が予想されるのが既存のコンビニだ。トライアルGOが実証実験を重ねてきた福岡では、コンビニの売り上げにどのような変化があったのか。特集『揺らぐコンビニ3強 トライアルGOの衝撃』#8では、加盟店オーナーの声をお届けする。さらに、ナショナルブランド商品の価格調査により判明した、トライアルGOの“高い壁”となり得るチェーンについてもレポートする。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
福岡ではセブンの隣に出店
実際に見に行ってみた
まさに、宣戦布告とも取れる一手だった。2024年7月末、福岡市の繁華街である天神から車で20分ほどの場所にトライアルGO福岡別府3丁目店がオープンした。開店情報が出回ると、福岡の小売り関係者は驚愕した。
なぜなら、トライアルGO福岡別府3丁目店の真隣では、すでにセブン-イレブン福岡城南店が営業しており、「トップチェーンを相手に商圏を奪いにいく」という挑戦だったからだ。
二つの店舗が並ぶのはどのような場所か。福岡市地下鉄七隈線別府駅の2番出口を出ると国道202号に面しており、程近い場所に私立大学と区役所がある。国道沿いには持ち帰り弁当チェーンの「ほっともっと」や飲食店、クリニック、ファミリー向けマンションなどが立ち並び、二つの店舗の前にはバス停があるため、日中の人通りは非常に多いといえる。
区役所の前と大学の横には、それぞれファミリーマートが店舗を構えていることからも、昼食需要が十分に見込める立地であることが分かる。
では、実際に別府駅前のトライアルGOとセブン-イレブンで繰り広げられた真っ向勝負の行方はどうだったのか。
ダイヤモンド編集部は、トライアルGOが22年から出店を開始していた福岡エリアで、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートなどの既存コンビニにどのような影響が出たのかを調べるために、現地取材を敢行した。加盟店オーナーを直撃すると、1日当たりの売り上げへの影響や、売り上げが減少した商品などが分かってきた。
さらに、福岡のコンビニチェーンやトライアルGOの各店舗で販売されているナショナルブランド商品の値段も調査。安さを武器にするトライアルGOにとって“高い壁”といえる、“ダークホース”の存在も浮き彫りとなった。
トライアルGOは11月以降、首都圏への出店を開始する。次ページでレポートする各チェーンの状況は、11月以降の東京でそのまま再現されることも考えられる。早速、詳細なレポートをお届けする。







