世界の富裕層たちが日本を訪れる最大の目的になっている「美食」。彼らが次に向かうのは、大都市ではなく「地方」だ。いま、土地の文化と食材が融合した“ローカルガストロノミー”が、世界から熱視線を集めている。話題の書『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ―ガストロノミーツーリズム最前線』(柏原光太郎著)から、抜粋・再編集し、日本におけるガストロノミーツーリズム最前線を解説。いま注目されているお店やエリアを紹介していきます。
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瀬戸内美食海道めぐりをするなら、どんな旅程でいく?
これからは少し趣向を変えて、文章を介して「ガストロノミーツーリズム」を体験していただこうと思います。行先は瀬戸内海で、期間は4日間。運転免許がない方や、お酒を飲みたい方でも楽しめるように、移動手段は公共交通機関だけです。さぁ、アートと美食に酔いしれる瀬戸内海美食海道へ出発です。
まず今回は、1日目の旅程を、妄想してみましょう。
【1日目】予約をハガキで受けつける「ヘンタイ」の店へ
まずは岡山駅へ降り立ち、そこからタクシーで牛窓町へ向かいます(約50分)。
牛窓町は「日本のエーゲ海」と呼ばれている美しい町で、そこに最初の目的地「sowai」があります。
店主の林冬青さんは、東京・広尾の伝説的名店、リストランテ「アッカ」で腕をふるったのち、牛窓に移住して店を開きました。瀬戸内の海の幸が満載の前菜や魚料理が人気です。けれども実は、私はまだここを訪れたことがありません。
それにもかかわらずみなさんにおすすめしている理由は、林さんは「ヘンタイ」に違いないからです。(私は、地方にいながら世界中の多くの人を惹きつける店には「ヘンタイ=圧倒的な食のカリスマ」がいる、と感じています)
というのは、「sowai」は、なんと予約の受け付けはハガキのみ。予約確認の連絡もハガキで届くというアナログさです。今の時代に、こういうことをしてのける人は、おそらく確固たるポリシーがあるのでしょう。
ということは、お店でも彼ならではの料理が出てくるに違いありません。とても魅力的なので近々、訪れてみたいと考えています。
午後は直島でアート三昧
その後は直島へ向かいます(電車や高速船等で約2時間。乗り継ぎ時間含まず)。
直島は、現代アートの聖地として世界的に有名で、自然や集落の風景と調和した独特の展示が多く、建築やデザインに興味がある人にも人気があります。特に「瀬戸内国際芸術祭」の開催期間中は、様々なイベントが展開され、海外からも大勢の人が訪れます。
富裕層にとって、アートは食と並んで相性がいいとされます。半日ここを楽しんだら、直島もしくは近隣で一泊しましょう。
※本記事は、『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ―ガストロノミーツーリズム最前線』(柏原光太郎著・ダイヤモンド社刊)より、抜粋・編集したものです。






