『無能なリーダーはメンバーに「本を読め」と押し付ける。では、優秀なリーダーは何をする?』
それを教えてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。ビジネスがより複雑になっている現代は、個人の知識やスキルだけでは限界があり、他者との協働はもはや必須となりつつある。「チームの空気が変わった」「メンバーとの関係性が良くなった」と話題の一冊から、「他者と協力して結果を出すためのコツ」について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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「本を読め」という指示が機能しない理由
部下の成長を願うあまり、「もっと本を読め」「自己投資をしろ」と指示するリーダーは少なくありません。
知識や視野を広げるうえで読書が有効なのは事実です。
しかし、それを命令や義務として課した瞬間、学びは「負担」に変わります。
とくに業務で手一杯のメンバーにとっては、「これ以上、時間を割けというのか」という反感を抱きやすい。
結果として、読書は形だけの行為となり、内容が実務に活かされることも、チームの力に転換されることもありません。
学びを「やりたい」と思わせる工夫
無能なリーダーは、部下に「学べ」と指示する。
一方で、優秀なリーダーは「学びたい」と思える工夫をします。
チームで結果を出す方法をまとめた『チームプレーの天才』という本には、次のような記述があります。
能力開発に学びは欠かせませんが、それはつらい勉強である必要はありません。眉間にしわを寄せた学びの場は、近寄りがたく続きにくいもの。学びに継続的に取り組み続け、自分ごととして吸収するには、「やりたい」という内発的動機が不可欠です。
――『チームプレーの天才』(288ページ)より
ここで重要なのは、学びを「内発的動機」と結びつけるという点です。
やらされる学習は、短期的には機能しても、継続せず、成果にもつながりにくいからです。
そこで有効なのが、学びに「遊び」や「交流」の要素を組み込むことです。
たとえば同書では、「ビブリオバトル」という方法が提案されています。
読書会の一種で、自分がおすすめする本の感想や「推し」ポイントをプレゼンテーションし、最も読みたくなった本を聴衆が投票して大賞を選ぶイベントです。
読んだ本を紹介し合い、他者の視点を通じて学びを共有する仕組みは、読書を孤独な作業から対話型の体験へと変えます。
優秀なリーダーが設計しているもの
優秀なリーダーは、メンバーの読書量を管理する代わりに、「学びが循環する仕組み」をつくります。
たとえば、プロジェクトのキックオフにミニ読書会を組み込む。合宿や定例会議の一部で、最近の学びを共有する時間を設ける。おすすめ本を紹介し合い、そこから業務への応用を議論する。
こうした設計によって、読書は“個人の努力”から“チームの資産”へと変わります。
「本を読め」と言うだけでは、学びは定着しません。
学びを行動や成果につなげるには、場と仕組みが必要です。
優秀なリーダーは、単に「読んで終わり」ではなく、「共有し、議論し、実務にどう活かすかを考える」流れを設計しているのです。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の内容を引用したオリジナル記事です)







