アクティブリコールの注意点2
「思い出せた量は気にしない」

 もう1つの注意点は、「思い出せた量」をあまり気にしてはいけない、ということです。

 アクティブリコールを実行すると、多くの人が「思い出せた量」が増えているかどうか、つまりどれくらい思い出せたかを定量的に測ろうとします。たとえば、「今日は昨日より20個多く思い出せたから良かった」「全然書けなかったから今日はダメだった」と。

 数字や成果で評価したくなる気持ちはわかります。

 でも実は、それにはあまり意味がありません。というのも、アクティブリコールでは思い出せた“量”が大事なのではなく、「思い出そうと頭をひねった時間」それ自体が脳のトレーニングになるからです。

 仮に何も書けなかったとしても、頭の中で「あれって何だったっけ……」「たしか、こういう感じの単語だったような……」と記憶を探る過程こそが、記憶の再構成を助け、長期記憶として定着させるために不可欠なステップなのです。たとえるなら、筋トレで「どれだけ重いバーベルを持ち上げたか」よりも、「どれだけ筋肉を使ったか」が重要なのと同じです。

 だからこそ、もし思い出せた量が少ない日があっても落ち込む必要はありません。そうではなく、「思い出そうとした時間があった」ことそのものが大切であり、やがてその積み重ねが大きな記憶力の向上につながっていくのです。

何度も反復し習慣化することで
記憶は定着していく

 アクティブリコールは、繰り返しによって効果が表れます。1回ですべてを完璧に思い出すことが難しいのは当然です。

 でも、1日の終わりにその日の勉強を思い出すことを毎日繰り返し、「夜にアクティブリコールをするんだから、それまでこれだけ覚えておこう」と考えられるくらい習慣化してくると、少しずつ思い出せるようになっていきます。習慣化して初めて、効果が表れるのです。

 それなのに、「昼間勉強したのに思い出せない、自分はダメだ」と感じてしまう人はもったいないです。思い出せないのは普通のことです。むしろ、思い出せなかった部分は次に復習するべき“穴”として可視化できているのだとも言えます。