学んだ直後だと、学んだばかりの情報がまだ脳内に“仮置き”されている状態です。

 大人は、この仮置きの期間が子どもより短くなっています。ですから勉強したすぐ後の時点で、「今何を覚えたか」「どこでつまずいたか」「何が印象に残っているか」を白紙に書き出すことで、その仮置きされた記憶が失われず、定着しやすくなります。

 また、「朝と夜のダブル・アクティブリコール」が社会人にはおすすめです。

 たとえば、夜に勉強した後、寝る前に、同じことを再度白紙に書いて確認してみます。その上で睡眠をはさんだ後、朝の通勤前や朝食後の5分間に、重ねて前日に学んだことを頭の中で思い出してみるのです。この“夜に思い出し、朝に再確認する”サイクルを維持することで、記憶が定着していきます。

 ポイントは、毎回すべてを完璧に思い出そうとしないことです。2回、3回と「思い出す」作業をすることで、一度ですべてを覚えようとするよりも記憶の定着率が高まり、その分だけ効率的に勉強することができます。

 一見、復習ばかりして時間がかかってしまうようにも感じられるかもしれませんが、「何度も思い出すタイミングが来る」と考えておくと、思い出せるようになるまでの時間は短くなるわけです。

 ここまでの話をまとめると、大人のアクティブリコールは「短くていいから頻度を上げる」というのがポイントです。記憶がまだ温かいうちに複数回実行する習慣さえ身につけば、時間が限られていても、着実に記憶力と学力は伸びていきます。

出題範囲が狭い資格試験は
アクティブリコールが効果的

 ここからは、資格試験においてアクティブリコールを有効活用する方法をお伝えしていこうと思います。

 まず前提として、資格試験においては「何を覚えるべきか」を明確にすることが非常に重要です。学校のテストでは幅広い知識の理解が求められることが多いですが、資格試験では“出題範囲”が比較的限定されており、問われる知識の傾向も過去問を通じて把握しやすいという特徴があります。