すると不思議なことが起きた。面接やカメラテストで、驚くほど落ち着きを取り戻したのだ。「働ける企業がある」という安心感が、本来の実力を発揮させてくれた。
余裕のある人は強い。大手テレビ局のアナウンサーの中には「そこまでなりたかったわけではないけど、受けたら受かった」という人が少なくない。彼らは「どうしても」という切迫感がなかったからこそ、面接で魅力的に映ったのだと思う。懇願する人より、「私はどこでもやっていける」という余裕のある人の方が、企業は欲しくなる。
保険を持つことは、逃げではない。「他でも必要とされている自分」である状態を作ることだ。IT企業の内定から、わずか1カ月。都内のケーブルテレビ局でアナウンサー・リポーターとして働ける仕事が決まった。
「幸せな人」と「不幸な人」の違い
アナウンサーとして働き始めた私は、多くのお笑い芸人さんと共演する機会を得た。売れている人もいれば、売れていない人もいる。興味深いのは、売れていない人でも幸せそうな人が多かったことだ。
「芸人という生き方が好き。たとえ売れなくても一生続けていきたい」――そう話す人は、結果に関わらず幸せそうに見えた。
一方で、「こんなはずじゃなかった」「売れないなら他の仕事につけばよかった」と嘆く人は、苦しそうに見えた。
この違いこそ、「納得」の有無だ。自分の選択に納得していれば、結果がどうであれ前を向ける。納得していなければ、どんな状況でも後悔がつきまとう。
就活生・転職者が今すぐ実践すべきこと
では、具体的にどうすればいいのか。私の経験から、就活生と転職者それぞれにアドバイスを送りたい。
就活生はまず1社、内定を取ろう。憧れの企業に一点集中するのは、よほどメンタルの強い人以外にはおすすめできない。まずは1社、「ここでもいいかな」と思える企業から内定をもらおう。その安心感があれば、本命の面接でも落ち着いて実力を発揮できるはずだ。
保険があるからこそ、攻めの姿勢で挑戦できる。命綱があるからバンジージャンプが飛べるのと同じだ。







