壊れたときの影響が大きいインフラに
優先的に費用を配分するメリハリ施策
重要度の設定は自治体ごとに行うが、道路・橋りょうであれば主要幹線道路、その他幹線道路、生活道路の順、水道であれば水源・浄水場近辺の導水管から、配水管、給水管の順、下水道の場合は本管、支管、排水管の順で設定するのが1つの目安である。
重要度の割合は、重要度A、B、Cの順に、10%、10%、80%と設定する(編集部注/そのインフラに占める金額ウェイトによるもの)。これは道路における生活道路の割合が80%台であることを参考にしている。他の種類のインフラには合理的な数値を設定することは難しいので同様と仮定している。
使用年数の上下幅はインフラの種類によって決める。道路は表面舗装が一定以上磨滅すると快適性が低下するが、住民の生命に直結する事故につながる可能性は低いので、幅は広く設定できる。具体的には、重要度Cの生活道路は年数の延長率を2倍と大きく設定する。この結果、使用年数は重要度Aが15年、Bが22.5年、Cが30年となる。重要度Cの使用年数を30年と見るのは、実際の道路維持の現場感覚としては十分許容範囲である。
一方、生命の危険に直結しやすい橋りょうや生活の維持に不可欠な上下水道は、幅を小さく設定する。具体的には重要度Cの場合でも年数の延長を1.5倍に抑える。標準耐用年数が60年の橋りょうと下水道はともに重要度Aが60年、Bが75年、Cが90年、標準耐用年数が40年の水道は重要度Aが40年、Bが50年、Cが60年である。
図表4-14は、以上を総合した結果である。削減率は道路45.9%、橋りょう、水道、下水道は29.8%となる。
以上の通り、量を削減できない土木インフラでも、工夫次第では費用を大きく削減することができる。しかし、公共施設が約6割減らせることに比べると、削減の程度は小さいと言える。このことからも、インフラ老朽化問題の解決には公共施設の見直しが先決であると言うことができる。
同書より転載 拡大画像表示
『インフラ崩壊 老朽化する日本を救う「省インフラ」』根本祐二 日本経済新聞出版







