機能を維持して量を削減する方法は、土木インフラに関しては横断歩道橋などの例があるが、例外的であり一般論としては適用できない。量を維持して費用を削減する方法のうち、予防保全は現在のところ方法によって費用対効果が異なっており、かつ費用対効果が可視化されていない。施設やネットワークを使わない方法は実際にはとても有効であるが、モデル化できるほどの知見は得られていない。サービスの受け手が移動する方法は、移動が完了した世界と対比した効果は計算できるが、それに至る過程が長く一般化は困難である。

 さらに、これらの方法はお互いに複雑にからみ合っており、わかりやすいモデルが作りにくい。いずれかの自治体の計画において具体的な方法や定量化できるデータが示されていればそれを用いて試算することができるが、具体的な方法論が示されている計画はまだない。

 本記事では、一般的に計算できる唯一の方法であるリスクベースマネジメント(RBM)を実施すると仮定する。RBMはリスクと重要度の大小によって優先順位をつけるものであり、何らかのルールを設定すれば計算できる。

 具体的には、それぞれのインフラの重要度ごとにA、B、Cの3つのカテゴリーに分割、カテゴリーごとに更新するまでの使用年数を変える。

 重要度Aは事故が起きた場合の影響が最も大きな部分であり、ルール通り標準耐用年数で更新する。重要度Bはそれに準じるものであり、使用年数を標準耐用年数の1.2~1.5倍に設定する。重要度Cは最も重要度の低いものであり、使用年数を標準耐用年数の1.5~2倍に設定する。

 使用年数を伸ばすということは、それに見合う改修を行うということではない。標準耐用年数はもともと安全を考慮して設定されており、標準耐用年数が到来したらすぐに使えなくなるわけではない。もちろん万一使えなくなるというリスクもあるが、その時点で対応すれば(つまり事後保全すれば、あるいは放置しても)、大きな影響はないとみなす部分を設定することになる。実は現場のマネジメントはそのようになっている。それを現場の担当者ではなく全体の政策としてあらかじめ決めておくのがRBMである。