また、そんな機能はなくても、選択的接触と確証バイアスで勝手にエコーチェンバーを巻き起こすのが人間という生きものでしょう。実際、Xを数分観察するだけでそのような例を見つけることができると思います。
しかし、Xは境界線を突き崩す機能が傑出しているので、偏った考えが生まれたときにそれを殻の中に閉じ込めることができません。
まさにX自身がツイッター時代に自称していたように、彼らの力の源泉は「世界をあまねく接続する能力」です。そのため、X自身のSNS的機能すら骨抜きにされ、分割されていたグループ間に橋を架け、それらをつなげます。
Xは「ネガティブなポスト」が
拡散しやすい構造を持っている
Xはタイムラインを構成する評価アルゴリズムを公開しません。近年になって炎上等への批判の高まりから、単に「いいね」などの数だけではなく、文脈を追ってそのポストの質を見たり、ネガティブなポストを目立たなくする調整を行ったりすると表明していますが、基本的には焼け石に水の状態と考えます。
彼らのビジネスの中核は「拡散」にあり、拡散を抑える施策は彼らのモデルの強みを削ぐことに直結します。内部からの改革で拡散抑制を徹底することは難しいでしょう。また、人の心理として、怒りが共有されやすい感情であることは変えられません。
少しアルゴリズムに手を加えた程度の対策であれば、怒りはアルゴリズムの抑止をかいくぐって「活発な議論」と評価され、表示すべきコンテンツと判断されます。
したがって、馴染みのフォロワーやフォロイーよりも、今バズっているポストを見せる傾向は高止まりしたままです(なお、この記述は「バズりやすさ」についてのものだという点に注意してください。Xへのポストが誹謗中傷ばかりだという意味ではありません。Xへのポストで最も多いのはニュートラルな内容です。その中で拡散しやすいのがネガティブなポストだということです)。
Xがビジネスとして怒りを求めているとまでは言いませんが、怒りに弱い構造を持っていることは事実です。







