さらに炎上の確率が跳ね上がる
Xならではのメカニズムとは?
現在のインターネットでは、古典的な意味でのSNS(仲良し同士で集まっている:クラスター係数大)と、X的なもの(意外な人とうっかりつながるショートカットサービス:平均経路長小)の2つが組み合わさることによって、見事に現実の人間関係と同様のスモールワールドネットワーク(編集部注/1998年に数学者のワッツとストロガッツが発表した「(広いようで)世界は狭い」ことを説明したネットワーク理論)が形成されています。
Xがショートカットの役割を果たすわけです。
SNSで「内輪の話」としてやりとりしていた内容は、そのSNSに参加している利用者がXにポストすることで、グループをまたいで、その内容を嫌がるグループのもとにまで容易に届きます。
SNSの特定の友だちグループの中では常識として通用していた考え(しかし、フィルターバブルの中で先鋭化し、世間一般では眉をひそめるようなものに育っていた考え)は、グループの外にいる人にとっては嘘であり、不快であり、不正義にもなり得ます。こうした話題はたちまち炎上します。偶発的に起こる炎上もあります。
SNS事業者が作るフィルターバブルは、もちろん万能ではありません。異なる意見を持つグループ(本来であれば、快適性を維持するために接触させないグループ)が意図せず接触してしまうことはままあります。同じ属性を持ち、同じグループに所属している人同士でも、喧嘩になることはあるでしょう。
しかし、インターネットという海にSNSのフィルターバブルが個別にぷかぷか浮いている状況に、Xが加わると、世界の様相はまったく違うものに書き換えられます。
SNSがその機能で分割していたグループ同士がXという橋で結ばれ、考えの合わない人同士の相互接触が幾重にも重ねられ、炎上の確率は跳ね上がります。
「人の怒り」は
良い金になる!?
さらに、なりわいとして炎上を取り扱う人が出てくると、状況はさらに悪化します。彼らは1人で多くのグループに所属して、燃えそうな話題をフィルターバブルの垣根を越えて収集します。
よい話題が見つかったら、Xで拡散します。Xが持つ機能により情報は軽々とフィルターバブルを突き破り、その情報で怒りそうな人、怒りたい人のもとに届きます。







