まず規制すべきなのは
SNSではなく拡散系サービス
1つだけ付言するならば、このビジネスモデルは特に新しいものでも、インターネットが切り拓いたものでもありません。テレビやラジオ、新聞、雑誌などは先の分類に従えば拡散系サービスです。彼らも炎上を起こしたい強烈な動機を持っています。
XやYouTube、TikTok、インスタグラム等と違って、こうした従来型メディアは「いかがわしい投稿をしているのは利用者であって、我々はそれを掲載する器でしかない」「安易に投稿を削除するのは表現の自由を侵害する」といったエクスキューズが効きませんし、クオリティペーパーを自称するメディアには掲げる使命とプライドもあるので、Xほど露骨な記事を組むわけにはいきません。
『子どものSNS禁止より、大人のX規制が必要な理由』(岡嶋裕史、光文社新書、光文社)
しかし、その任を担うサブブランド(タブロイド紙や週刊誌等)がどれだけ攻撃的・扇情的であるかを想起すれば、モデルの類似性は納得しやすいかと思います。
この方法論はレイジベイティング(rage:怒り+baiting:おびき寄せる)と呼ばれます。これを用いるパフォーマーやアクティビストに対して、眉をひそめるニュアンスを持った用語でしたが、今や事業者自身がレイジベイティングに舵を切ったと思われます。注目は金になり、注目を集めるには怒りが最も効率がいいからです。現時点における代表的な投稿戦略、運営戦略であると言ってよいでしょう。
こうした状況があるなかで、炎上とその二次被害を押さえ込もうとするならば、まず規制すべきはSNSではなく拡散系サービスだと考えられます。その利用、拡散デザイン、運用に制限をかけることは、現実的な解決策となるでしょう。
炎上はデザインされています。人の悪意ではなく、設計によって起こるのです。ゆえに設計に手を加えることによって、抑制できます。







