JR東海やJR東日本の公式サイトの英語版を見ると、Green Car(First Class Cars)と説明されていて、これで意味は通じる。というのも、今でもヨーロッパ諸国の列車は、1等車や2等車という呼称で編成されているので、分かりやすいという意味では納得だ。
ちなみに現在、グランクラス(フランス語由来の造語)というグリーン車よりも高級な車両が登場している。実質、グランクラスこそが、First Classだし、将来は個室なども計画されているようだ。となると、英語表記には気を遣いたいところであろう。個室やグランクラスがFirst Classだとしたら、現在のグリーン車は、せいぜいupgraded car、座席はupgraded seatくらいがふさわしいような気がする。
なお、近鉄の名阪特急「ひのとり」および東武の新型特急「スペーシア X」には、普通席よりワンランク上の座席としてプレミアム車両があり、英訳公式サイトではPremium Seatと呼称している。これは、きわめて妥当な英語表現だと思う。
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ロマンスカーには要注意
現在、ロマンスカーという言葉は小田急電鉄が商標登録しているので、同社以外の列車では使えないが、かつては他社の特急電車でも愛称として利用されていた、とてもよく知られた列車の名前である。
ところが、ロマンスカーという言葉は完全な和製英語だ。起源は映画館の2人掛けシートだとされる。東京・新宿に今でもある武蔵野館という映画館の先代社長が、大きな2人掛けの座席から“恋が生まれる”ということで「ロマンスシート」と名付けたのが始まりと言われる。
この意味に徹してみると英語でも似た表現はあり、やや小さく2人が密着するように座る座席のことをラブ・シート(love seat)あるいはラブ・チェア(love chair)と言う。これを使用しないであえて和製英語のロマンスシートと呼んだ理由は分からない。







