スペースの余裕とともに各部の洗練が印象的
本格ヨンクながらフレンドリーさも十分
ノマドは、街で目立つ存在だ。小柄だが周囲の視線を集める。とはいえ、運転席に座ったときの景色はジムニーそのもの。眼前には切り立ったウィンドウとインパネがあり、シフト回りにはスティック式のパーキングブレーキと副変速機が配されている。夜間はこのあたりに照明がないのが少々残念だが、社外品で対策できる。
室内は適度な広さ。シエラは運転席から振り返ると、リアシートとテールゲートがあまりに近くて驚くが、ノマドは常識的な距離感がある。もっとも、助手席は近いままだが。
走り始める。シエラとはだいぶ雰囲気が違っていた。ひと言でいうと上質である。まず乗り心地がいい。
ホイールベースが340mmも長いから、違うだろうとは思っていたが、やはり振動の仕方や受け止め方が断然、快適志向になっている。現行型ジムニーは、歴代モデルの中で最も洗練されているとはいえ、シエラでも、“道路はこんなにデコボコしていたのか”と再認識させられた。対してノマドは路面の不整を感じない。普通のクロスオーバーSUVに近いしっとりとしたフィーリングが印象的だ。これはホイールベースが伸びたことと、クルマ自体が進化していることの相乗効果に違いない。ノマドは、本格ヨンクという構えなしに、普通の感覚で乗れる。
高速巡行も快適だった。100km/hクルージングでもエンジン回転数が3000rpmに達してしまうのは少し興醒めだが、ピッチングはあまりなく、意外とフラット感のある走りが楽しめた。視線のブレも小さい。
市街地や駐車時には重さを感じたステアリングは高速道路では具合がいい。首都高速のタイトなコーナーでも切りすぎないので姿勢をグラッと乱すことがない。
1.5Lエンジン(102ps/100Nm)が生むパフォーマンスもなかなかだった。シエラより車重が100kgほど増え1190kg(AT)になっているので加速の鈍さを心配したが、走り出しは意外としっかりスピードが伸びる。4速ATは、3速のギア比が少し離れていて早めに4速に入る設定。走るとやはりATが4速というのは惜しいと感じる。エンジンパワーをフルに引き出しているとは言い難い。せめてもう1速あると違うだろう。どうにも加速力を物足りなく感じたときにはオーバードライブをオフにするとベターだ。







