ノマドは、後席と荷室を
広げただけの5ドアではなかった

 後席にも乗ってみた。やはりシエラとは居住性が段違いだった。着座点は前席よりもだいぶ高めで、前方の視界はワイド。しかも平均+αのパッセンジャーが座っても頭上にコブシひとつ分の余裕がある。ひざ前のスペース、ヒール段差も十分だ。

 乗り心地はリジッドアクスルゆえ、それなりの振動と、大入力時には突き上げ系の動きが見受けられる。とはいえ、この点も想像以上に洗練されていた。クッションの厚いシートの効果も大きい。

 先進運転支援装備はあまり充実しておらず、いまどきACCが40km/h以上でないと機能しないのはいただけない。ただし、つい最近、日本で生産されるジムニーとシエラに関しては、このあたりが時代の平均に追いついた。ぜひインド生産のノマドにも最新タイプが採用されるよう願う。

 ノマドは、後席と荷室を広げただけの5ドアではなかった。すべてにわたって上質さが与えられていた点が印象的だった。後席にゲストを迎える機会が多いユーザーでも十分に満足できる完成度の持ち主である。納車を心待ちにしている人には、期待を裏切らない価値ある1台と伝えたい。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/原田 淳)

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