2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』が刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の内容を、抜粋・再構成して特別公開する。
本当に有効な「管理職の条件」
チームで役割を果たそうと思うと、「個人を犠牲にしなければならない」と思われがちです。
ですが、違和感を起点にすれば、自分や相手が大切にしていることをないがしろにしなくても、「チームとしては、本当はこうしてほしいんだよね」と組織の微調整をすることはできます。
私はそうやって気づきをもとに調整できることを、管理職に昇進させるときの要件にするべきだとすら思っています。
相手を観察し、予測して、どこまで相手に響くメッセージを出せるかを探求しつづけられる人こそ、組織を動かすリーダーではないでしょうか。
脆い組織にしないためのコツ
どんなにベストな布陣でメンバーを揃えたと思っても、採用や異動などでメンバーが替わることもあり得ます。
そうなったとき、もう一度メンバーの類型をマッピングし直して、自分の振る舞いを調整していってほしいのです。
「自走する組織をつくる!」などといったスローガンを声高に叫ぶだけでは、変化に対応できない、脆い組織になるだけです。
それより、今いるメンバーをよく見てください。
今のチームを観察し、自分とメンバーを知ることで、仕事を進めていくうえで足りない機能をあぶり出す。
そのうえで、どんな言い方をすれば改善をうながすことができるか、つねに考えつづけましょう。
クライアントからのうれしいメール
私のクライアントには、研修で一度会っただけの方であっても、「いつでもメールしてください」とお伝えしています。なので、数年単位の長いお付き合いになることもよくあるのですが、ポンっと、
「勅使川原さん、お久しぶりです。実は今、こんな部下がいて困ってるんです」
というメールをいただくと、とてもうれしくなります。
なぜなら、考えつづけているからこそ、「困っている」という表現が出てくるから。
考えない人は、困る手前でジャッジをしてしまいます。「こいつは使えない」「能力がないやつだ」と、排除する方向へ向かってしまうのです。
困るというのは、決めつけの対極にあるもの。どうにかしようともがくからこそ、出てくる表現です。
こんなふうに、一度やったら終わりではなく、何度でも調整しようという心持ちでいることが、組織を動かすコツです。
組織は永遠の未完。この意識をどうか忘れず、向き合いつづけていきましょう。
忙しいリーダーに、効果のあることだけ
発売5日で大重版!
その後たちまち、2万部突破!!
とっても売れてます!!!

「好き嫌い」や「やる気」、
「あうんの呼吸」に頼らず
組織を機能させるための具体策!
対話より先に、やるべきことがある。
「大丈夫です」のひとことでモヤッとしたとき、
待ちの姿勢ばかりの部下に自走してもらうにはどうしたらいいのか、
スタンドプレーが多い部下に「チームで仕事をしよう」と伝えるための効果的な伝え方は?……
ビジネスの現場に尽きないコミュニケーションの悩みを、「マネジメント」のスキルとして、「3段階」に分けて打ち手を授けるのが本書です。
まずは土台となる「観察」のスキルを紹介。ここでは、違和感に着目するというユニークな手法をとります。
そして、「自分を知る」「相手を知る」「組み合わせる」の3段階で、関係性から組織の最適解を導き出します。
自分と相手の「持ち味」を知り、
組織をつなぎ直すための一手を
この3段階を経て、違和感を乗り越えるための伝え方や振る舞い方を具体例とともに紹介します。
スキルといっても、難しいものではありません。「あれ、今なんか変だったな」という気づきを、手がかりにつかむこと。
さらに本書では、「持ち味」を知るためのいくつかの診断も掲載。すぐにチームに実装できるような作りにしています。
事前に特別な準備や学習はまったく不要。やるべきことが明確になり、現場のもやもやがクリアになります。
いつでも「今ここ」での気づきから組織を改善できる。行き詰まった状態を打開する新鮮な方策が詰まった、忙しいリーダーの支えになる一冊です。

本書の内容
はじめに
ギリギリな組織の頼みの綱は
人それぞれが「正しさ」を生きている
「持ち味」の組み合わせと「解釈」のクセ
第1章 違和感とは何か? ―― 「決めつけ」が横行する現場で
観察の達人!? コナンくん
仕事に本音はいらない
「なんか変な感じ……」の正体
人はみな「違う色のメガネ」をかけている
「職場のすれ違い」は決めつけから生まれる
とにかくみんな疲れている
すべてのコミュニケーションの基本となる「観察」の3ステップ
第2章 「自分を知る」 ―― 違和感に気づくと「自分」がわかる
自分の本音がわからない
変えられない性質は確かにある
手がかりは「どうしてもとりつくろえない瞬間」
「わかってほしかった」は「解釈のクセ」が生み出している
「自分が知らない自分」はスマホが教えてくれる
第3章 次に、「相手を知る」 ―― 人間関係の違和感から「相性」を知る
「伝える」の前に「見る」がある
「言わなくてもわかるでしょ」はマネジメントの怠慢
相手の何を「見る」のか? ―― ソーシャルスタイルの4類型
「他者の合理性」を知るヒント
「人それぞれ」では話が進まない
第4章 そのうえで、「組み合わせる」 ―― 違和感を役立て最高の組織をつくる
「今いるメンバー」で最高のチームをつくる
「好き嫌い」より「相性」を考える
それは「評価」ではなく「評判」です
「自分でやったほうが早い病」への処方せん
「似た者同士」がうまくいくとは限らない
職場は「ドレッシング状態」にならなくていい
個人と組織のサンドイッチ作戦
第5章 違和感を乗り越えるための話し方・振る舞い方
役割の実行を後押しする「面談」「相談」「雑談」「対話」
「大丈夫です」の複雑さ
「よかれと思って」が残念なワケ
待ちの姿勢ばかりの部下に「自走してほしい」と伝えたい
スタンドプレーが多い部下に「チームで仕事をしよう」と伝えたい
コミュ力が高い人の「真の使命」は、相手に合った手段を選ぶこと
危うい場面で役に立つ「否定しない技術」
会議時間を短縮すれば「生産性」が高まるのか?
「困っている人」は「決めつけていない人」
第6章 「いてくれてありがとね」から始める組織改革
「いい人材がいない」と嘆く人は組織の価値を見落としている
「重すぎない信頼関係」のススメ
「健全に疑う」のススメ
100点を取ってきた子どもに「偉いね」と言ってはいけない理由
100%わかり合うことは無理、それでも「訂正」し合うことはできる
「自分のまま働く」ために
解説 ―― 坂井風太