もったいない!控除使い残しケース4
同居の妻の母をどちらも扶養に入れていなかった共働きのDさん夫婦

 以前、相談に来た共働きのDさん夫婦の場合は、同居の妻の母をどちらも扶養に入れていなかった。

 妻の母は、亡き夫の遺族厚生年金と自分の基礎年金のみの収入なので、扶養に入れるための所得要件は満たしている。実際に同じ家計で暮らしている。

 Dさん夫婦の源泉徴収票を見ていたら、どちらも妻の母を扶養に入れていないことがわかり「なぜですか?」と尋ねてみた。

 すると、妻は「扶養控除は世帯主である夫が使うものだと思っていた」と言い、夫は「扶養控除は血のつながりがないと使えないと思っていたから、妻が使っていると思っていた」と驚き顔で答える。

 つまり、お互いが使っていると思い込んで、どちらも扶養控除を使っていなかったのだ。妻の母は、70歳以上なので「老人扶養親族」で、さらに同居なので58万円の控除が適用になる。

 Dさん夫婦は、夫のほうが年収が高いので、扶養控除は夫が使う方が節税効果は高くなる。

 還付申告は5年間さかのぼることができるので、「自分で確定申告してはどうですか」と話してみた。

 後日、「5年分の所得税・住民税の還付があり、全部で50万円戻ってきました」とメールが届いた。うれしい気持ちが行間からにじみ出ていた(それはそうでしょう)。

 Dさんは「思い込み」で失敗したケースだ。

もったいない!控除使い残しケース5
親が要介護状態のEさんは障害者控除が使えるのを知らなかった

 親が要介護状態なら、障害者控除の対象になるかもしれない。これもあまり知られておらず、使えるはずの控除を使っていない人が大勢いる。

 実は「Eさん」は私のことだ。同居していた夫の両親が要介護状態になり、介護について検索していたときに、障害者控除の対象になるかもしれないことをはじめて知った。恥ずかしながら、FPなのにそれまで知らなかった。

 障害者控除は、本人または配偶者、扶養している親族が受けられる。扶養している要介護状態の親が障害者控除の対象と認定されれば、扶養者として障害者控除と扶養控除をダブルで受けることができるのだ。