たとえば、風鈴の音を聴くだけで不思議と涼しく感じます。これは、音の刺激が脳に作用して、体感覚の認知を変化させるからです。この仕組みを「クロスモーダル現象」といいます。

 特にアジア人は、視覚よりも音の刺激の影響を受けやすく、欧米人は視覚の刺激の影響を受けやすいことがわかっています。

 そのため、日本人がフェードアウト法を実践する場合、脳内で相手の声のイメージを変化させると、効果が現れやすいといえます。

解像度を下げる
「6つのステップ」

 以下の6つのステップにより、あなたの脳内で、その人の声やイメージを「扁桃体が反応しないよう」になるまで変化させてみましょう。

(1)声を変える
 イメージの中の相手の声が威圧的なら、ボリュームを小さく、声を高く、話すスピードをゆっくりにしてみましょう。アニメ声(ドラえもん、クレヨンしんちゃん、ピカチューなど)にしてもOKです。甲高い鳥の声に変えたり、相手の言葉を外国語(英語、イタリア語、フランス語、中国語など)に変えたりするのも効果的です。

(2)行動や表情を普通にする
 イメージの中の相手の表情を無表情にし、こちらに指をさしたり、威圧的だったり、攻撃しようとしたりしていたら、それらの行動をやめさせます。手を下ろさせる、口を閉じさせるなど、ごく普通の表情、姿勢に脳内で変化させてみます。

(3)色を抜いてピントをぼかす
 相手のイメージをフルカラーからモノクロにしたり、くっきりしたものからぼんやりしたものに変えたりします。これにより、存在感が薄まる効果があります。

(4)サイズを縮小して距離を離す
 相手のイメージを等身大から子どもサイズに、さらに人形くらいの大きさから豆粒くらいまでに小さくしてみます。そのうえで、相手のイメージをどんどん遠ざけます。50cmから2mに、さらに10m、100m、最終的には地平線の彼方にまで離してもOKです。

(5)実況中継する
 声を変えた小さい相手が、いろいろなことを言っている様子を観察します。そのとき、あなたはどんなことを感じるでしょうか?一歩引いて観察することで、私たちの脳はストレス刺激を「自分ごと」として処理しなくなる傾向があります

(6)ロケットで宇宙へ
 最終手段です。豆粒サイズになった相手をロケットにくくりつけて、大気圏外へ発射しましょう!

 この6つのステップにより、相手が小さく、遠く、ぼんやりとした存在になり、「脅威」から「どうでもいい存在」へと認知が変化し、脳の扁桃体が反応しにくくなります。