《全体として、トヨタは資本投資や研究開発プロジェクトに関連するものを含め、すべての資金需要を支払うために、営業活動から生み出された現金に依存してきました 》
《同業他社よりも低い総負債比率を持っていることは明らかです 。トヨタは負債による資金調達においてより保守的です。全体として、負債管理は低リスクであり、トヨタは収益でカバーすることができます 》
偉大な「大番頭」が残した教え
自らの手で稼いだお金を、未来への挑戦のために大きく使う――。市場の自由な競争の中で勝ち残るためには、効率よくお金を使い、技術を磨き続けるしかない。
トヨタ自動車は、無駄を徹底的に省き、大切な部分には惜しみなく資源を向ける。正しいお金の使い方が、世界の厳しい競争の中で強い企業を作り上げているのである。
お金の流れを厳格に管理しながら、必要な投資からは決して逃げない。偉大な「大番頭」が残した教えは、企業の強い体質を作り上げる最高の武器となっている。
豊田章男会長が、次期社長の近氏に石田退三の名前を挙げて期待を伝えた理由は、きっと前述の点にある。
今後の自動車業界は、電気自動車や自動運転など、新しい技術が次々と生まれる激しい競争の時代に入る。過去の成功にすがる企業は、たちまち市場から消え去るだろう。生き残るためには、自らの足で立ち、自らの手で利益を生み出し、未来へ投資する力が必要になる。
近氏は財務の専門家として、お金の流れを厳しく見つめてきた人物である。並んでいる数字を漫然と見るのではなく、数字の向こう側にある技術者の夢や、お客様の笑顔を大切にしてほしい。
近氏であれば、激動の自由市場でも堂々と戦っていけるのだと豊田会長は確信しているのであろう。








