◆脳の掃除屋「ミクログリア」を味方にする方法…100年冴える脳の処方箋
「人の名前が出てこない」「今やろうとしたことを忘れた」――そんな日常の些細な物忘れは、もしかすると脳からのSOSかもしれません。『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)は、7000人の脳を診察し、3000本以上の論文を読破した専門医が「一生ボケない脳のつくり方」を徹底解説した1冊。カギとなるのは、脳の免疫細胞「ミクログリア」。生活習慣の乱れによってミクログリアが暴走すると、認知症の引き金になる一方、上手に味方につければ、いつまでも若々しい記憶力を保つことができるのです。難しいトレーニングは必要ありません。【血圧】【食事】【睡眠】【速歩】【呼吸】【お酒】という毎日の生活を見直すだけの6つの習慣術で、100歳まで健やかな脳を育てていきましょう。
※本稿は、『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
Photo: Adobe Stock
成績は「地の底」だった私を医師にした母の言葉
私が医師を目指したのは、決して学業のエリート街道を歩んできたからではありませんし、親や親戚が医師だったからでもありません。
幼少期の私は、興味のないことには全く集中できない、いまでいうADHD(注意欠如・多動症)の傾向がある“落ち着きのない子ども”でした。成績表の意味すら理解できず、小学校時代の通信簿は底辺を這っていました。
母から受け継いだ「自立」というバトン
そんな私を導いてくれたのは、母の存在でした。母は戦争で生活が激変、若くして両親を亡くし、教師になる夢を諦めて生き抜いてきた人でした。身体が弱く、何ら資格もなかった母は、苦労の末に専業主婦となりましたが、私には常々こういい聞かせていました。
「女性でも、手に職をつけて自立して生きていきなさい」
母が入退院を繰り返していたこともあり、「母を助けたい」「病気で生活が壊れる寂しさをなくしたい」という思いが、私を医学の道へと導いたのです。
忍び寄る「脳のゴミ」を食い止めるために
中学生になり、数学の公式がパズルのように解ける楽しさを知ってからは、勉強への苦痛が消えました。そして高校を経て大学の医学部へ進み、解剖実習ではじめて「ヒトの脳」に触れたとき、その複雑精緻な神秘性に魅せられ、私は脳神経内科医の道を選びました。
年齢を重ねても脳機能を失わないためにできることは何か。それは、脳が壊れるプロセスを知り、未然に防ぐことです。
認知症は、ある日突然なるものではありません。何十年という生活習慣の積み重ねの果てに、脳の中で“小さな炎症”が起き、ゴミが溜まり、やがて発症します。後悔は、あとから訪れるのです。
脳内に住む「専属の掃除屋さん」
しかし、絶望する必要はありません。希望はあります。私たちの脳の中には、脳を守るための“専属の掃除屋さん”が住んでいることがわかってきたからです。それは、脳の免疫細胞である「ミクログリア」です。
そのミクログリアを元気に保つことさえできれば、私たちは100歳になっても、クリアな頭脳を保ち、自分の足で歩き、笑って暮らすことができる。私はそう確信しています。
※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









