「150日後」に登場する「恒久的関税」とは?
通商法301条関税は日本にとって「悪夢」!?

 新関税を発動後も、トランプ政権の幹部からは、今回の措置は違憲判決を受けてのあくまで暫定的な対応であるかのような発言が続いている。

 アメリカ通商代表部(USTR)のグリア代表は、トランプ大統領の一般教書演説の翌25日には次のように語っている(注2)。

1.世界一律に10%で発動した新関税の税率を15%に引き上げる。
2.150日の経過後に、別の法的根拠に基づいて、恒久的に関税をかける。

 今回、発動された通商法122条に基づく関税には、二つの問題がある。

 第1は、最長150日間しか賦課できないこと。第2は、アメリカの国際収支が大規模かつ深刻な赤字に直面している場合に発動することができるとされていることだ。

 では、アメリカの国際収支は実際に危機的な状態にあるか? アメリカの経常収支は確かに赤字だが、ドルは基軸通貨でもあり、巨額の資本流入がある。外貨準備不足もない。

 だから、アメリカが国際収支上の緊急事態に陥っているとは考えられない。

 つまり、122条関税の発動要件が満たされているかどうかは疑問だ。したがって、この点が今後問題とされることがあり得る。

 122条関税は、国際収支の危機に際して何らかの措置をとるための「時間稼ぎ」なのであって、もともと恒久的な手段とは考えられていないのだ。

 その後の恒久的関税の本命と考えられる、通商法301条による関税は、不公正な貿易手法を使っていると米国が考えると、その国と協議し貿易障壁などを排除したり、問題が解決しないとなると、高率の関税賦課などの制裁措置を課したりするものだ。

 その強化版である「スーパー301」は、「不公正貿易国」を特定し制裁措置などを通じて譲歩を迫るもので、89年には、日米構造協議(SII)の中で日本を標的として発動され、この時はスーパーコンピューターや人工衛星、木材加工品などで、日本は譲歩を余儀なくされた(注3)。日米交渉では米国が市場開放などで圧力をかける武器として使われた。

 当時を知る世代には複雑な感情を呼び覚ます法律だ。