個性派俳優、演技派で知られるジョニー・デップは、2000年代は最も人気のある俳優の1人で、彼は5年間で3回主演男優賞にノミネートされたが、今日に至っても、一度も受賞していない。
エンタメを追い求めた先に
念願のオスカーが待っていた
2010年代になり、50代になったクルーズは、アクション作品にフォーカスするようになり、オスカーとは一線を画すようになる。
1990年代にロン・ハワード、ブライアン・デ・パルマ、スタンリー・キューブリックといった名匠のもとで作品を作ってきたクルーズは、2000年代になってもスピルバーグ、マイケル・マン、ロバート・レッドフォードと、作家性の強いオスカー監督の下で作品を作り続け、高評価を得る。
しかし、UA(United Artists)買収後の『大いなる陰謀』『ワルキューレ』がいずれも期待されたほどの結果を残さなかった後は、『ナイト&デイ』を皮切りに、彼の作品選びはエンターテインメントに舵を切ったように見える。
『トム・クルーズの真髄 40年間トップに立ち続ける理由』(メラニー、星海社新書)
良い映画を作りたい、観客を幸せにしたいと心の底から考え続けるクルーズが50歳を迎え、自分を見つめ直した時、彼はエンターテインメントに徹することを選んだのではないだろうか。
真面目で勉強家の彼はそれまで、素晴らしい才能の持ち主たちと組む事で彼等から映画作りを学ぼうと、一直線に走ってきた。そんな彼が、今度は自分がリードして、観客を楽しませるために何が出来るか考え、それを共に実現できるパートナー監督と仕事し始めたように私には思える。
アクション、SF、スリラーといったエンタメ路線を徹底追求し始めた彼の作品は、再び大ヒットを連発するようになる。第一線で主演し続けるクルーズ作品はほぼ毎回ヒットを記録し、そのヒットはやがて、全く想定していなかった結末を迎える。
エンターテインメントに徹して作られた『トップガン マーヴェリック』が、オスカー作品賞のノミネーションを受けるのだ。







