カタール航空のエアバスA350-1000 Photo by Koji Kitajima
ボーイングやエアバスにも深刻な打撃
コロナ禍以上のリスクになる可能性も
さらに言えば、中東の混乱は原油価格を押し上げる。4月以降の各社の燃油サーチャージは、再び上昇に転じるリスクが極めて高い状況だ。それが現実になれば、方面を問わず全ての国際線に影響が波及する。
何より、航空機の製造・納入にも影響を及ぼす恐れがある。こうした意味では、欧州便の二重苦どころか航空業界全体の三重苦、四重苦が待ち受けているといっても過言ではない。そもそも近年の米ボーイングや仏エアバスといった航空機メーカーは、部品供給や人員確保が追いついておらず、両社の受注残は合計で10年分以上に達していると報道されている。
中東は物流のハブでもある。航空機製造に必要な特殊な部品の輸送が滞ることで、サプライチェーンが混乱し、工場の稼働に影響が出る可能性は否定できない。こうなると、JALもANAも頭を悩ませているエアラインへの納入遅延の問題はいっそう深刻になる。
また、中東の航空会社はボーイングやエアバスにとって最大顧客のひとつだ。エミレーツやカタール航空が情勢不安を理由に新造機の受け取りを延期すれば、メーカー側の財務状況や製造ラインの計画全体に狂いが生じ、結果として世界中のエアラインへの納入がさらに遅れるという悪循環に陥るリスクがある。
2026年の春、本来であれば活況だったはずの航空業界は、再び不透明な雲に覆われている。このまま情勢不安が続けば、コロナ禍以上のイベントリスクになる可能性も否定できない。
とにもかくにも海外渡航を予定している人は、各航空会社の最新情報をこまめにチェックし、万が一の際の代替案を検討しておく必要があるだろう。








