Photo by Yuito Tanaka
日本と中国を結ぶ空の往来が急速に冷え込んでいる。高市早苗首相の「台湾有事」発言をきっかけに、中国政府が日本への渡航自粛を呼び掛け、中国人観光客は激減。本来であれば春節で旅行需要が高まる時期にもかかわらず、中国系エアラインによる日本路線の大量欠便は続いている。日中関係の緊張は全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の業績にどこまで影響するのか。連載『エアライン・鉄道の進路』の本稿では、両社の第3四半期決算から実態を読み解く。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
中国人観光客激減
エアラインへの影響は?
日本と中国を結ぶ空の往来に異変が起きている。
2025年11月の高市早苗首相の「台湾有事」発言に反発した中国政府が、自国民に対して日本への渡航自粛を呼び掛けている。これを契機として、12月からは中国人観光客の足が急速に遠のいている。
実際、24年12月には60.4万人だった訪日中国人客数は、25年12月には45.3%減の33万人へと激減。その背景には、移動を担う航空会社の欠便がある。
中国の経済メディア「第一財経」によれば、26年1月の中国発日本行き航空便の47.2%が欠航になったという。今後の便に関してもキャンセルが相次いでおり、中国のフラッグキャリアである中国国際航空(エアチャイナ)は、上海―東京(成田)便など15便について、26年10月24日までのフライトキャンセルを発表した。
羽田空港に着陸する中国国際航空のエアバスA330 Photo by Y.T.
2月中旬からは春節が始まっている。中国では、延べ95億人ともいわれる巨大な移動需要が見込まれるものの、日本への渡航自粛の呼び掛けの影響もあり、韓国への旅行が特需になっているとの見方も出ている。
現在、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)では、中国便の目立った運休・減便は行っていない。だが、今回の関係悪化を機に日中間の移動のパイプが細くなってしまえば、根本的な路線構成にも影響が出る可能性は否めない。
では、中国人観光客の激減は、実際に航空会社の業績にどれほどの影響を与えたのだろうか。次ページではANAとJALの26年3月期第3四半期決算から分析していく。







