安くて美味しいコーヒーは
集客力向上のための撒餌

 ところで、高品質のプレミアムコーヒーをたった100円ほどで提供できるのはなぜでしょうか。高品質のコーヒー豆を使えば原価率が上昇し、利益が出ないのが普通です。

 しかし、コンビニにとって美味しいコーヒーは(言い方は悪いかもしれませんが)撒き餌のようなもの。身近なコンビニで手軽に美味しいコーヒーが飲めるなら、お客さんはやってきます。

 そして、コーヒーと一緒にサンドイッチを買う。お弁当を買う。デザートを買う。ついでにいろいろ買うでしょう。コーヒー目当てで足を運んでもらえればいいのです。つまり、コーヒーにかかる費用は「販売促進費」と考えることができます。

 撒き餌に徹するなら、下手にコストカットに手を出して味を落としてはいけません。本当に美味しいコーヒーである必要があります。そうでなければお客さんは寄ってきてくれません。

 ですからコンビニ各社は努力して美味しさを追求しています。パッケージデザインやマシンなど見せ方も含めてブランドを作り、「〇〇のコーヒーは美味しい」というイメージを作り上げています。

 ファストフード店もそうです。コーヒー単体で利益が出なくとも、セットでハンバーガーを買ってもらえたらいいのです。「美味しいコーヒーが飲めるから行こう」と思ってもらえるよう、品質を高める努力をしています。

缶コーヒーに詰まった
企業努力と科学の結晶

 日本で100円台で飲めるコーヒーといえば、缶コーヒーやペットボトルコーヒーも外せません。スーパーやコンビニだけでなく、自動販売機で買って手軽に楽しむことができますね。

 外国人は、缶コーヒーのクオリティの高さにも驚きます。こういった低価格で高品質のものを作ることにかけては、日本は本当にすごいと思います。

 日本で缶コーヒーが広まったのは、1970年頃からです。1969年にUCC上島珈琲の創業者・上島忠雄氏が世界で初めて缶入りのミルクコーヒーを開発し、製造販売をスタートさせたのがひとつのきっかけです。