しかし近年の研究では、この話は脚色が多いと考えられており、実際には、美濃三人衆の一人で、半兵衛の岳父でもある安藤守就(演:田中哲司)の兵力も動員されたクーデターで、16人での奇襲というのは、誇張だろうとされています。また、半年後に、半兵衛が城を返したというのも、実際には、龍興が兵を集めて、城を奪還したのだろうと考えられています。
斎藤龍興(右)と、美濃三人衆。左から氏家直元(演:河内大和)、安藤守就(演:田中哲司)、稲葉良通(演:嶋尾康史) (C)NHK 拡大画像表示
つまり、これは忠臣の諫言ではなく、反龍興派によるクーデターだった可能性が高いのです。城を返却した後の半兵衛の隠棲も、理想的な退去というより、クーデターの首謀者としての処罰を避けるためだったと思われるのです。
弱体化した斎藤家を、信長が攻撃
この内紛で斎藤家は大きく弱体化し、その隙をついて、信長が攻勢を強め、美濃はやがて信長の手に落ちます。
これまで半兵衛の若き日の行動は、美談として語られてきました。しかし史料を見直すと、戦国の国衆たちが主君を選び、時に裏切り、政変を起こすという、リアルな国衆としての姿が、浮かび上がってくるのではないでしょうか。
織田信長(右)の美濃攻略はあと何話続く? (C)NHK
直(左、演:白石聖)の笑顔はもう見られないのか…… (C)NHK
次ページの動画ではこの他、『甫庵信長記』に書かれた、半兵衛の稲葉城乗っ取り事件の詳しい様子などについてお話しています。気になった方は、動画をご覧ください。







